どこの親でも、子どもの安全は何より重要視しているはずだが、中国の親から見ると日本の安全教育は非常に進んでいるようだ。中国メディアの今日頭条はこのほど、「日本の幼稚園の安全教育」について紹介し、この面で中国の子どもたちは「スタートラインですでに負けている」と伝える記事を掲載した。


 記事はまず、日本と中国とではそもそも安全教育に対する概念が異なっており、中国では「過保護」によって子どもを守ろうとするのに対し、日本では「子ども自身が危険に気付き、周りの大人に伝える」ように教えていると比較。日本では「災害、交通、生活」の3つの点で幼稚園から安全意識を学ばせていると紹介した。

 「災害」については、主に地震と火災に備えた定期的な防災訓練を実施していると紹介。また「交通」においては、入園前にあらかじめ親が通園ルートを確認しておき、幼稚園では交通安全教室も開くと伝えた。「生活」面について教えることは幅広く、知らない人についていかないことや、一人でエレベーターに乗らないなど具体的な危険を教えるほか、道具の使い方も教えると感心している。中国では、危険なものには触らせないのが普通だが、日本ではかなづちやはさみ、それに包丁まで正しい使い方を教えることで子どもを守ると驚いている。
中国とは正反対の教育方針と言えるだろう。

 子どもを危険なものから遠ざける、というのは一見安全に感じるが、子ども自身に身の守り方を教えるというのは、さらに一歩進んだ優れた教育といえる。記事に対して、中国のユーザーからは賛同と称賛のコメントが多く寄せられている。「ずっと思っていたことだが、我々はスタートラインで負けているのではない。入場もしていないのだ!」と格差を指摘するユーザーや、「遅れは100年にとどまらない」と嘆く人もいた。

 格差の理由を「幼稚園の功利主義」にあるとする人も少なくなかったが、幼稚園も「保護者の言いなりになっている」との指摘もあり、中国では社会全体が「過保護」になっているのを感じることができる。
しかし、このままでは中国はいつまでも「日本にスタートラインで負けている」状態から脱却できないのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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