中国メディア・北京晩報は13日、中国が輸入を一時停止している台湾産パイナップルの日本向け輸出が増加するなかで、日本に輸出された台湾産バナナから基準値を超える農薬が検出され、回収する事態になったと報じた。

 記事は、日本のWismettacフーズ株式会社が10日、1~3日に納品された台湾産バナナから食品衛生法が定める残留基準を超える農薬ピラクロストロビンが検出されたため、自主回収を行うことを発表したと紹介。
基準値の6倍に当たる0.12ppmのピラクロストロビンが検出されたと伝えた。

 その上で、台湾行政院農業委員会農糧署の姚志旺副署長が「ごく一部に発生した問題であり、台湾からの日本へのバナナ輸出全体に影響を与えるものではない」とコメントしたことを紹介している。

 記事は一方で、台湾の蔡英文総統が12日夜にフェイスブック上で「台湾の果物が日本へ、東京五輪へ」として、台湾のパイナップル、マンゴー、ドラゴンフルーツの「適正農業規範(TGAP)2020PLUS」が東京五輪・パラリンピック組織委員会の認証スキームに認定され、これらの台湾産フルーツが東京五輪・パラリンピック向けの食材となる資格を得たことを明らかにしたと紹介。その翌日に台湾メディアがバナナの農薬基準値超えを報じるという「まさかの状況」になったと伝えた。

 日本のメディアはここ数日、中国による輸入停止の影響で台湾パイナップルの対日輸出が増え、中国側の強硬的な施策が功を奏していないと報じており、ネット上では台湾産のパイナップル消費を呼びかける声も少なからず見られる。一方で中国のメディアやネット上では「日本への輸出は確かに増えているものの値引きを要求されている」などと伝えられ、結局のところ中国なしに台湾のフルーツ産業の成長は不可能だとの論調が目立つ。


 中国メディアが日本で台湾産バナナの自主回収が発生したことを伝えたのも、台湾産フルーツを通じて中国との距離を保とうとする民進党を批判しようとするネガティブキャンペーンの一つと言えそうだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


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