「(リヤド・マフレズと対峙して)元プレミアリーグだろうが何だろうか、みんな人間なんだなと思いました。手が届かないわけじゃないですし」と3バック中央に陣取る岡村大八も話していたが、それだけの自信と手応えをつかんで日本に戻り、明治安田J1百年構想リーグの終盤戦に気持ちを切り替えているのだ。
その一発目となった4月29日の水戸ホーリーホック戦は、超過密日程による時差と疲労を黒田剛監督も考慮。大幅なターンオーバーに踏み切り、PK戦の末に勝ち点2をゲット。幸先のいい一歩を踏み出し、5月3日は鹿島アントラーズの本拠地・メルカリスタジアムにやってきた。実のところ、町田はJ1昇格後、この地で一度も鹿島に勝ったことがない。「このスタジアムで勝つことが、日本では本当に1、2番に難しい」と古巣対戦となる昌子源も神妙な面持ちでコメントしていたが、今回こそは鬼門突破を果たしたかった。
その意気込みは前半から色濃く出ていた。町田はシステムのミスマッチを生かし、サイド攻撃を多用。序盤から林幸多郎、エリキらが次々とクロスに飛び込んで、鹿島ゴールを脅かす。開始16分のエリキの決定機は名手・早川友基に止められたが、前半のシュート数は5対3で鹿島を凌駕。ゴールこそなかったが、主導権を握りながら、試合を折り返した。
「チームとして一瞬、集中力を欠いた? そう言われても仕方ないところだと思いますし、テテのところで弾けたんちゃうかなと。レオをフリーにさせてしまったので。セットプレーは鹿島の強みの一つ。どんなに流れが悪くても取ってくるんで、彼らが先に先制すると難しくなりますね」と昌子は常勝軍団の底力を知るだけに、悔しさひとしおだった。
それでもわずか3分後に自身のFKから背後に抜けたナ・サンホに精度の高いボール供給し、テテ・イェンギの同点弾を演出したのはさすがと言えるだろう。「僕からの右足はチームの武器の一つ。今日はちょっと安定感がなくて、全体に精度を欠いていましたけど、あの場面は(植田)直通と濃野(公人)君の間が絶対に空いてくると思った。1本あるかないかのサンホへのボールを通そうと思っていたんで、そこを通せたのでOKです」と瞬時のリカバリーに昌子自身も手ごたえをつかんだ様子だった。
ここから一進一退の攻防が続き、鹿島に決定機も作られたが、1−1のまま90分が終了。
「でも、90分で見れば引き分け。相手がやりたいような試合はできなかったし、鹿島さんも多分俺らのことは嫌やと思ったと思う。今のウチは何点も取れるチームでは正直ないので、限られたチャンスを確実に決めることが大事。そこもサウジでACLEを経験して痛感した部分ではあるので、質を求めていきたいです」と首位・鹿島と1試合少ない中、勝ち点9差という厳しい現実を踏まえながら、昌子はあくまでJ1百年構想リーグ優勝を貪欲に狙っていく構えだ。
アジア王者に再チャレンジしようと思うなら、高いハードルをクリアしなければならない。2025年の天皇杯王者である町田はACL2の出場権は確保はしているが、今回のJ1百年構想リーグで優勝、もしくは準優勝して、ACLE参戦を果たしたいところ。残り試合を全勝するくらいの勢いと強さで突き進むべきなのだ。
「ACLE決勝前に『昌子選手とか中山(雄太)選手のように大舞台を経験している選手がいる』とみなさんからよく言われましたけど、2~3人が知っていても意味がない。みんなで経験したことが来年、再来年に生きるんです。
昌子がACLE決勝の重要局面を具体的に振り返ったように、そういった細部の積み重ねが町田を強くする。まさに黒田監督がそこを徹底してきたから、このチームは短期間で急成長できたのだ。その流れを持続させることが、キャプテンの指名である。頭を金髪にして、新たな気持ちでサッカーに向き合っている男の強靭なリーダーシップが、町田をより強い集団へと引き上げるに違いない。
取材・文=元川悦子
【ハイライト動画】鹿島アントラーズvsFC町田ゼルビア

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