◆JERAセ・リーグ 巨人4×―2広島=延長12回=(13日・福井)

 巨人の坂本勇人内野手(37)が13日、広島戦で史上48人目の通算300本塁打を達成した。1点を追う12回1死一、二塁、遠藤の初球を左翼席に運び、今季2号となる逆転サヨナラ3ラン。

4時間43分の大熱戦に終止符を打った。

 やっぱりスーパースターだ。通算2455安打目、300本目の本塁打。今季は打率1割台と苦しみ、ベンチスタートも多い中、チームを救った勝負強い打撃で改めてそのすごみを証明してみせた。

 チームは2012年以来14年ぶりの日本一を目指している。巨人の現役選手で当時の日本一を知るのは坂本ただ一人。長年、どれだけ圧倒的な個人成績を残しても満足せず「日本一になれていないので」、「今年こそは日本一」、「ファンの方にやっぱりジャイアンツは強いなと言ってもらえるように」など日本一への強い思いを口にしてきた。

 1学年下の菅野智之投手(現・ロッキーズ)とは長い間、投打の大黒柱として先頭に立ってきた。15年から18年は日本一どころか4年連続リーグ優勝を逃した。常勝軍団が直面した苦しい時代に「強いジャイアンツを作るために」、「勝つために何が必要か」2人で何度も意見をぶつけ合った。勝ちたいから、若手にあえて厳しいことも言った。

 当時の菅野は「それだけ僕と勇人さんは考えてやってきたつもりです。

だから僕と勇人さんにしか分からないものがある。勇人さんは唯一分かり合える。僕が唯一痛みを共有できる存在です。やっぱり優勝したいですから。僕が1、2年目(連覇した13、14年)は本当に幸せだった。勝つのが当たり前。ジャイアンツは強いと思った」と話していた。それほど「サカスガ」は固い絆で結ばれている。

 19、20年にリーグ連覇も日本一には届かなかった。選手会長の菅野、主将の坂本。「目標はリーグ優勝じゃない。日本一」と頂点への思いを持ち続けていた菅野も「勇人さんが誰よりも強くそう思っていると思います」と話していた。

 阿部監督1年目の24年に4年ぶりにリーグ優勝したが、日本一には届かなかった。25年から菅野はメジャー挑戦。海を渡っても坂本との絆、巨人の日本一を願う思いは変わらない。

 リーグ優勝48度(1リーグ時代9度含め)、日本一22度の巨人だが、13年間日本一がない。全員の共通目標は日本一だ。その景色を知り、勝ちたいという気持ちを誰よりも秘めるチーム最年長の坂本が、後輩に背中で示した劇的300号逆転サヨナラ3ラン。悲願の日本一へ坂本の力がまだまだ必要だ。(片岡 優帆)

編集部おすすめ