◆JERAセ・リーグ 阪神0―1広島(17日・甲子園

 広島・岡本駿投手(23)が阪神・才木浩人投手(27)から“金星”を挙げた。6回1/3を4安打無失点で2勝目。

先発転向1年目の右腕が、昨季の最優秀防御率に輝いたセ・リーグ屈指の剛腕と渡り合った。阪神大学野球リーグの甲南大から初のプロ入りを果たし、飛躍が期待される2年目。大学時代に観戦のため通った甲子園球場で、うれしい初白星をつかんだ。

 重圧に耐えた岡本は、全身でガッツポーズを決めた。7回1死二塁のピンチでバトンを渡した高が好リリーフした直後だった。「本当に1点もあげられない。すごくプレッシャーがかかっていました」。6回1/3を4安打無失点。才木との投げ合いを制し、つかんだ2勝目の重みを実感した。

 相手右腕は3回までに7奪三振。1点が致命傷になる展開で「ずっと『いつか点を取ってくれる。先に取られない』と思っていました」と粘り抜いた。

3回、4回と2度の2死満塁を脱出。味方の失策や捕逸が絡んだピンチをしのぎ、7回の先制点を待った。

 緊張感の中で「軸をつくり、しっかり立って投げる」とコーチ陣と励んだフォーム修正を意識。ツーシームが武器だが、アナリストから「十分に使える」と助言されたスライダーを増やす投球術も実践した。中継ぎで41試合に登板したルーキーイヤーを経て、年俸2000万円の“先発1年生”。年俸2億5000万円のエース格と勝負し、ひと皮もふた皮もむけた。

 甲南大出身。関西に恩師や友人は多いが「チケットが取れなくて、きのう来てくれた人が多いんです」と苦笑いした。前回は土曜日に登板。中6日を予想した“応援団”は肩すかしとなったが、一日遅れの雄姿を届けた。自身も「よく見に来ていた」という甲子園。大学時代に登板経験はなく「そのマウンドで、すごくうれしい」と躍動した。

 そんな場所で、昨年は苦い思い出をつくった。聖地で人生初登板した4月20日に危険球退場。阪神・藤川監督の激高を呼んだが、当時の3連戦以来となる阪神戦の勝ち越しにも貢献した。「すごく自信になります」。先発としての甲子園デビューは、言うことなしの結果だ。(安藤 理)

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