◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 ソフトバンク・周東佑京外野手(30)の走塁に改めて驚かされた。今月10日のロッテ戦(みずほペイペイ)。

1―2の3回2死三塁、ロッテ・毛利の柳田への初球、三塁をスタート。猛スピードで頭から本塁へ。同点の単独ホームスチールが記録された。

 意表をついた仕掛けに対して、投手がボーク、捕手が打撃妨害を取られても得点が入るケース。試合後、周東が「こういうのがあると思わせるだけで投げづらいでしょう」と話した攻めのプレーは、他球団に不気味さを与え続けるものだったと思う。

 一塁へのヘッドスライディングにも技術が詰まっている。4月7日の西武戦(みずほペイペイ)、1―1の3回1死。カウント2―2から西武・隅田の変化球にバットを出した。打球は二遊間へのゴロ。遊撃の名手・源田が軽快な動きでさばいたが、わずかに早く周東の左手が一塁ベースに触れて内野安打となった。

 「駆け抜け」とどちらが速いか議論もあるが、周東のヘッドスライディングには根拠がある。地面との接地が多い一般的な動作と違い、ベースに到達するまで体がほとんど接地せず手で直接ベースに触れるのが周東流。

「三森(現DeNA)がやっていて。タイムも一番速いと出ている」。負傷のリスクも考慮し、小久保監督は原則的に一塁へのヘッドスライディングOKの構えではないが「とっさに出ている。けがを怖がっていたら野球はできない」(周東)と本能的に動いている。

 球界屈指の韋駄天(いだてん)が見せる“奥義”。0コンマ何秒を縮めるこだわりにも、プロフェッショナルを感じる。(ソフトバンク担当・森口 登生)

 ◆森口 登生(もりぐち・とうい)2024年入社。今季から鷹番。

編集部おすすめ