缶詰の残り汁、どうしてますか?
果物の缶詰の残りシロップの場合、「飲む」という派の人も、いますよね。
いきなりですが、缶詰の残り汁、どうしてますか?

ツナ缶の油や、みかん缶やコーン缶の甘い液体みたいな、あの微妙に味がついた汁。
僕はたまに、コーン缶の残り汁を卵焼きに入れる。
そうすると、ほどよい甘さとコーンの風味で、卵焼きが美味しくなる。だけど基本的にコーン缶もみかん缶もツナ缶も、汁は切って使うことが多い。で、切った汁は捨てちゃう。
残り汁って使うもんなんだろうか? 使うのは邪道なんだろうか?

まず、缶詰に入ってる汁は何なのか、缶詰製品を製造・販売をしているはごろもフーズ株式会社に聞いた。

「当社の製品では、みかん缶のシラップ(=シロップと同じ意味。JAS規格により缶詰では“シラップ”と表記)は、入っているみかん以上の糖度がある液体を入れています。また、シーチキン(ツナ)は調味油として、味付けされている大豆油やエコナ油などを使っています」
ってことは、料理に使っても邪道じゃないってこと?
「はい。味付けされていますし、内容物の旨味もしみ出ていますから、美味しく召し上がれます。例えばシーチキンの油は炒め物で(ノンオイルなら煮物で)使うと、シーチキンのうま味成分が加わって美味しくなります。また缶詰のシラップは、ケーキやゼリーなどに入れると美味しくなりますよ」
よかった、邪道じゃなかったんだ。
しかも汁には、中身の栄養分も染み出てる。邪道どころか、残り汁は使うべきなのかもしれない。


ちなみに日本缶詰協会によると、缶詰に汁が入っているのには、主に2つの理由があるという。
1つはもちろん、味が付いた汁を入れることで、内容物の味を整えるため。もう1つは、工場で加熱殺菌をするとき、熱をより伝わりやすくするため。気体より液体の方が、熱が伝わりやすいことを利用している。つまりこの汁には、味付けだけじゃなく、熱処理の効率を上げるっていう目的があったのだ。
というのも、缶詰は添加物や保存料を入れず、加熱殺菌によって2年も3年ももつようにできている。ただ、加熱し過ぎればどうしても味は落ちる。栄養分も壊れることがある。そこで液体を入れて、熱が伝わるのを早めてるってわけだ。

残り汁とはいえ、味をつけて良し、味を守って良しの万能プレイヤー。
みなさん、缶詰の残り汁、これからどうしますか?
(イチカワ)
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