〈ギャラが入ってくれば入っただけ使い切ってしまう。しかも、当時は何に投資していたかというと“蟹”である〉
スーパーに並んでいた毛ガニに「お前になんか俺様は手が出ないだろう」と挑発された! と、鈴井さんは連日毛ガニを買いまくる。晩飯はカニとビール! という生活を毎日続け、“カニ貧乏”に陥るのであった。
〈キャンプが嫌いだ。テントで野宿するなど信じられない。(中略)一日二日ならまだ我慢も出来ようが、六日間も自然の中に放り込まれるなんて考えられないことなのだ〉
揃って「アウトドア大嫌い」な鈴井さんと、大泉洋さんが大自然に放り込まれた企画「ユーコン川160キロ」(水曜どうでしょう)。カヌー超初心者の二人は川では流され、陸では、ヤブ蚊に強襲され、散々な目に合う。
〈帰国してからも僕は煮え切らなかった。周りは分厚い企画書の一つも早々に提出してくるのだろうと思っていたようだが、僕は動かなかった〉
2005年に鈴井さんは映画監督としてスキルアップすべく、芸能活動を中断し、韓国映画の撮影現場に同行する。帰国後すぐ映画を撮り始めなかった理由とは――。当時の鈴井さんがハマってしまった迷路の正体、そこにあった葛藤が明らかにされる。