料理するときは、おいしくつくることだけに集中してて、カロリーなんて全然気にしないな。
最近までずっと、カロリーの数字が示す意味がよくわかりませんでした。
こう語るのは、本書の著者、料理研究家の枝元なほみ・多賀正子の2人(前者は枝元、後者は多賀のコメント)。しかしながら、レシピを見ると、まず目につくのは大きな、そしてちょっと物々しいフォントのカロリー表記である。料理本にカロリーが記されるのは珍しいことではない。しかし、である。
通常、レシピ本などにおいてカロリーが記載される目的は、「食べ過ぎないため」にある。たとえば、カロリーの高い揚げ物などをメインディッシュにする場合、副菜などはカロリーを抑えたものをチョイスするのが好ましい。そんなふうに、献立を立てる際に目安となるのが、カロリーである。
だが、この『禁断のレシピ』内に並ぶ数値は、おそらくそうした目的は持っていない。「どうだ! すごいだろう!!」と、いわば読者にインパクトを与えることだけをその役割としている節がある。というのも、本書で紹介される料理のカロリーは、1000kcal超えなんて当たり前。ものによっては3000、4000と、もはや料理のカロリーとしてイメージするのが難しいレベルのものも少なくない。普段、カップ焼きそばのカロリーにビビっているような人間は、絶句必至である。