2001年8月号から『月刊少年ガンガン』にて連載された『鋼の錬金術師』は累計発行部数6,500万部を記録、『ハガレン』の愛称で全世界から愛されている漫画で、2003年アニメ化、放映された。

2015年4月13日より、キッズステーションにて、BS・CS初放送となるHD版の放送が決まり、主役:エドワード・エルリックのボイスを担当している朴ろ美さん(※「ろ」表記は「王へんに路」)に『鋼の錬金術師』との出会いや、エドワードについて、作品の魅力やアニメの見どころなどをガツンと語ってもらった。


さらに、キッズステーションでは、今回の放送を記念して、豪華プレゼント企画も実施予定。詳しくはキッズステーション公式サイトをチェックしよう!
「鋼の錬金術師」がHDリマスタ版で放送決定! エド声優にインタビューしてきた


【鋼の錬金術師との出会いを聞いてみた】


「鋼の錬金術師」とはオーディションで初めて出会いました。オーディションのオファーがあったのですが、舞台のスケジュールと被りそうということで、事務所が一度お断りしていたようなんです。そのことを知らず、とある収録スタジオで水島(精二)監督とお会いした際に、「なんでオーディションを受けないの?」と言われて、水島監督の次回作のオーディションがあると知りました。そこで、どうしてもオーディションを受けさせてもらいたいと事務所に相談をして、オーディションを受けることになりました。もし受けてなかったらどうなっていたかと思うと、ゾッとする話ですよね。

一次オーディション会場に「鋼の錬金術師」のコミックスが用意されていて、そこで初めて作品に触れました。オーディションの順番が回ってきても「まだ先が読みたいので待ってください」と言いたくなるくらい、その世界観に引き込まれて読みふけっていたことを覚えています。

二次オーディションでは、私はエド役として、弟のアルフォンス役でオーディションを受けている方といろいろなペアでオーディションを受けました。その中で釘宮理恵ちゃんのアルと私のエドのカップリングでオーディションを受けた時に、言葉では説明はできないのですが、「彼女とこの作品をやるな」と感じました。偶然が重なって導かれていった……何かが「鋼の錬金術師」に出会わせてくれたという感覚がある作品です。

【エドワードについて聞いてみた】


エドワード・エルリックというキャラは、私にまったく妥協をさせてくれない子でした。土足で私の中にズカズカ入ってきて、嵐のように踏み荒らして何かを持っていってしまうような感じで。彼と一緒になっていた1年ちょっとの間は、とてもしんどかったです。
その分、彼と一緒になれる喜びはあったのですが、でも、やっぱり本当にしんどい、手のかかる欲しがりな男の子でした。そのかわり、彼からとても大きなものを与えてもらいました。今でも心の中にいる私の大切な男の子です。
「鋼の錬金術師」がHDリマスタ版で放送決定! エド声優にインタビューしてきた

【エドの魅力は?】

              
魅力とかを意識して演じてはいなかったのですが、だめな時はだめ、立ち向かうときはちゃんと立ち向かえる、もちろん弱音は吐きたくないけれど、ちゃんと吐くことができる、それぞれに直面した時に彼自身が選び取っている。そういった誰かが敷いたレールを歩くのではなく、自分で決めたことを自分の手で勝ち取って生きていく様が、みなさんの心をつかんだのかなと思います。私自身はそんな魅力を感じていました。

【おススメのキャラクターは?】

  
エド以外にも魅力的なキャラクターはたくさん出演しているので、どのキャラもおススメです。あえて選ぶなら、私はブラッドレイが好きです。作品をギュッと絞めてくれているところが心地よく感じていました。私が柴田秀勝さんが好きというのもありますが(笑)。みなさん、それぞれ好きになったり、心をひきつけられるたりするキャラは絶対にいると思いますので、ぜひ、そのキャラと気持ちを一緒にして観ていただけたらなと思います。

【「鋼の錬金術師」の魅力や見どころ、注目ポイントは?】


ご覧になったことがある方もない方も、まったく違った感覚で観られる作品です。私はこの作品に普遍的なテーマを感じています。あらためて見返してみたときに、前に観た時の自分とまた違った感じ方ができる気がします。

私自身、収録していた当時のお気に入りのシーンと、12年という時が経って、今、見返してみると、またお気に入りのシーンが違っています。
荒ぶったシーンよりも、静寂なシーンにこそ何かが表現されていると私は感じます。天井の扇風機が回っているだけのシーンを長回しで見せたり、短編の映画を撮っているような作り方もある作品で、最近、ひとり旅が好きでよく出かけるのですが、移動で新幹線や電車に乗っている時、エドとアルが旅をしていた汽車のシーンをよく思い出します。エドの気持ちはこんなだったのかな?とか。何かを吹っ切って、でも、切なくなったりしながら、ひとつひとつの旅をリセットして、次の旅のモチベーションをあげたりしていたのかな?と思います。だから、今、私のお気に入りのシーンは汽車のシーンですね。

みなさんも、お気に入りのシーンは観るときどきで変わると思います。でも、いつ観ても色褪せない、心にしみいるような何かを残してくれる作品です。だから、一度ご覧になった方ももう一度観ていただきたいですし、まだご覧になってない方は、この機会にこの作品の普遍的テーマを感じてほしいと思います。
「鋼の錬金術師」がHDリマスタ版で放送決定! エド声優にインタビューしてきた

【錬金術が使えるなら、「何の錬金術師」になりたい?】


錬金術師になれるなら……う~ん、なれるなら、やっぱり金は錬成したいです。でも、それは大変なことになりますよね(笑)。人体錬成もしてみたいですが、自分の体を持っていかれてしまうし……。24時間寝ないで過ごせる体を作れる錬金術師? やっぱり、健康になれる錬金術師がいいですね。

【最後にメッセージを!】


「鋼の錬金術師」HD版、キッズステーションでBS・CS初放送となります。
4月からの本放送を前に先行放送もあります。みなさん、この「鋼の錬金術師」という作品に気持ちをドバーっと解放して観てみてください。何かひとつ大切なものが見つかるはずです。ぜひ、ご自分の目で確かめてみてください。

番組詳細『鋼の錬金術師』|キッズステーション公式サイト:http://www.kids-station.com/tv/g/g214107/
(C)荒川弘/スクウェアエニックス・毎日放送・アニプレックス・ボンズ・電通2003
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