
ゆらいでいく、為頼の“眼”に対する信頼感
菜見子の元彼でストーカーの佐田は、為頼の存在がとにかく気に入らない。頭痛と偽って受診し、菜見子の婚約者だと自己紹介。為頼を牽制しようとするが、「おめでとうございます」と祝われてしまう。揚げ句、和枝(浅田美代子)に「式はいつなんですか?」「婚約者がいるのに、家に帰ってないんですか?」とツッコまれ、たじたじ。為頼にも「エコノミー症候群になりかねないので、できれば寝るときは横になってくださいね」と、ストーカー生活の問題点を指摘され、ギョッとする。
ひと目見れば病気もわかれば、犯罪の兆候もわかる。“診える医者”であるはずの為頼だが、佐田の悪意にはまるで気づかない。菜見子が診療所を訪ねてきて打ち明けてはじめて、状況を把握する。和枝は和枝で「トロいわね! ボーッとしてるから騙されるのよ。

ストーカーとの攻防
ストーカー・佐田は白神メディカルセンターにも現れる。白神の代理で診察にあたる為頼の前に現れ、からみまくる。待合ロビーに聞こえるよう、ヤブ医者呼ばわりしたり、「皆さん、気をつけてください。この人に診てもらうと危険ですよ!」と叫んでみたり、やりたい放題。為頼が「お前は人を傷つける度胸もない臆病者だ」と断ずるものだから、さらに佐田の態度はエスカレートする。
そこへ割って入ったのが清掃員・伊原(中村蒼)。たどたどしいながらも、佐田の盗撮を例に挙げ、「この人、悪い人です」と周囲に訴える。さらに、菜見子が駆けつけ、「私は絶対にあなたの元には戻りません。二度と私にも、この病院にも近づかないでください」と迫る。

原作とドラマ、どちらのストーカーが卑劣か
原作にも、ストーカー・佐田は登場するが、ドラマでの菜見子との関係性とは少々異なる。

菜見子が欲しかったのは“いい父親”だったが、佐田の目的な菜見子の金と体。結婚した途端、しつけと称して息子をいじめ始めた佐田を見た奈美子は心底公開し、慰謝料を払って離婚する。菜見子には悪夢でしかない結婚生活も、佐田にとっては“オレ史上最高に便利な女”との蜜月。だからこそ菜見子に執着し、ヨリを戻す機会を虎視眈々と狙っている。

一方、ドラマ版の佐田は、「犯因症が出てない」「少なくとも、高島さんに危害を加えるような男ではない」とされていたが、菜見子の自宅に侵入。佐田からの電話を受けて、慌てて為頼が菜見子の部屋に向かうと、そこにはビニール袋をかぶせられた菜見子が倒れていた。単なる模倣なのか、それとも佐田は何らか一家惨殺事件と関係があるのか。今夜10時から!
(島影真奈美)
