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「まんぷく」36話。わずかな塩でラーメン19杯ただ食い

2018年11月12日(月)08:30

第６週「お塩を作るんですか！？」　第３６回　１１月１０日（土）放送より
脚本：福田靖　
演出：渡邉良雄
音楽：川井憲次
キャスト：安藤サクラ、長谷川博己、内田有紀、松下奈緒、要潤、大谷亮平、
　　　　　桐谷健太、片岡愛之助、橋本マナミ、松井玲奈、呉城久美、松坂慶子、橋爪功、瀬戸康史ほか
語り：芦田愛菜
主題歌：DREAMS COME TRUE「あなたとトゥラッタッタ♪」
制作統括：真鍋斎

３６話のあらすじ

萬平（長谷川博己）のもと、１５人の若者たちの尽力でできた塩を清香軒に差し上げて、塩っ気のたっぷり効いたラーメンをみんなで食べることができた。

ハキハキした台詞回しの人たち

ついに、塩作りの準備が整った。
砂浜には８１枚の鉄板。
このへん、芦田愛菜ちゃんのナレーションで語られるのだが、ほんとうに、ナレーションの影が薄い。

最低限な説明をハキハキと澄んだ声で語るのみ。
このところ、「ひよっこ」の増田明美、「わろてんか」の小野文惠アナウンサー、「半分、青い。」の風吹ジュンと語り手のキャラを強烈に押し出した作品が続き、一部、その存在感をうっとおしく思う声もあがったためか、「まんぷく」では、芦田愛菜ちゃんという超個性を起用しながら、まったく芦田愛菜の気配がしないという極めてユニークな試みを行っている。

ハキハキしているといえば、最たるものは萬平さん。
試作では茶色くなってしまったので、鉄板の錆を拭き取ってから、塩作りをはじめる場面、萬平さんを演じる長谷川博己もまた、芦田愛菜ちゃんと同じく、誰もに塩作りの説明がわかるように、聞き慣れない単語をハキハキ語るに終始する。まるで学校の先生のようだ。泉大津編になってからハキハキが顕著になった。

大勢の荒くれ者に難しいことをわかりやすく伝えるために、最適な喋り方を選択しているのであろう。

塩ができたが・・・

海辺での塩作りの士気を高めるために男たちは歌をうたうことにする。
神部（瀬戸康史）が軍歌を歌おうとして反対にあい、「りんごの唄」を萬平が歌いだし、みんなで大合唱。
こうしてできたが、丸一日かけて、重労働の末、ほんの少ししかできなかったことにみんながショックを受ける。
商売にならないなら辞めればと言い出す鈴（松坂慶子）。
鈴がそういうのはいつものことだが、福子（安藤サクラ）までが辞めてもいいと言い出す。涙ながらに。

みんなは、続けると決意を表明する。
最初の塩は、清香軒に差し上げようと福子。
これを使ってラーメンをただでふるまう主人・竹春（阿南健治）。
美味しいラーメンにみんな大喜び。
「（みんなは）世の中の役に立つ仕事をしてるの」と言って福子は皆を鼓舞する。
「まんぷく」主人公の存在意義は、夫に限らず、みんなを応援することなんだあと思う。

BKワンダーランドで限定販売した「まんぷくラーメン」

ラーメンの撮り方は、ほんとうに美味しそう。ライトとか、スープの濃度とか、VEの調整とか考え抜かれているんだろうなあと思うのは、この間、自分でBKワンダーランドで限定販売した「まんぷくラーメン」を撮って、その難しさを痛感したから。
食の撮影ってほんとうにスキルが問われる。機材も大事だし。NHKのスタッフと機材は優秀だ。

と褒めたあとは、

ひとり朝ドラ国防婦人会（朝ドラ愛が強いあまり細かいところをチェックしたいコーナー）

◯３６話開始から、１０分間で、塩ができて、諦めかかって、立ち直る。
あっさり。

汗や涙がどんなに映ってもなんだか塩気の足らない展開である。

◯ちょっとの塩で、ラーメン、１９人分（若者１５人、福子、萬平、鈴、タカ）ただって・・・萬平たちが得してないか。しらけんけど。

◯おごりのラーメンに舌鼓を打ちながら「塩加減でこんなに違うんだなあ」とまたハキハキ機械的に言う萬平。ドコモのCMのキャラ・コスモフみたい。
さすがにちょっと芝居が一本調子過ぎやしませんか・・・とダメ出したくなってきた。

でも、ハキハキ声を上げていかないと、ドラマ全体が単調になってしまうから（内容があまりにシンプルなので）、頑張ってアクセントをつけているんだと好意的に解釈しておきたい。彼が声を大きくあげると、考える間を与えない有無を言わせない力がたしかにある。大きくしっかり話すことは良くも悪くも影響力があるものだ。
（木俣冬）

連続テレビ小説「まんぷく」
◯NHK総合　月～土　朝８時～、再放送　午後０時４５分～
◯BSプレミアム　月～土　あさ７時３０分～　再放送　午後１１時３０分～
◯１週間まとめ放送　土曜９時３０分～