
松本まりか “怪演”封印で挑む新境地『最高のオバハン 中島ハルコ』
『女は四十(シジュ―)から』の「その女、ジルバ」、そして『永遠の28歳』の「リカ~リバース~」と話題を呼んだオトナの土ドラ。4月10日からは、主演・大地真央がアラ還名古屋嬢を演じる「最高のオバハン 中島ハルコ」がスタートする。【関連記事】『先生を消す方程式。』最終回 演技巧者たちによる土曜深夜のドラマの解放区『せんけす』
本作は、名古屋出身の毒舌スーパーレディー・中島ハルコ(大地真央)が、ひょんなことから知り合った庶民のダメンズ女子・菊池いづみ(松本まりか)を振り回しながら、東京と愛知を舞台に、世の中の悩みをぶった切っていく痛快ストーリー。
松本が演じるのは弱小出版社の編集兼ライターで、10年物の不倫に悩む38歳独身・いづみ。昨年、ドラマやバラエティー、声の仕事や写真集を通して、その演技力で世間を魅惑した松本が、本作では“怪演”のイメージを封印。翻弄される側という新境地に挑む。松本に話を聞いた。
最初は「一体私に何を求めているんだろう?」と戸惑った
――本作をオファーされた時の感想は?松本:今まで怪演系というか、すごく刺激的なものを皆さんが求めてくださっているから、そこに「応えたい」という気持ちで演じていたんです。でもどこかで何か新しいものを求めている自分もいたりして。そんな時に「こんな真逆な役が来たか」と。今まで私に求められていた怪演だったりはまったく求められていなくて、「これは一体何を私に求めているんだろう?」と最初は戸惑いました。

――菊池いづみ役について教えてください。
松本:いづみは平凡で地味で、ちょっと抜けていて、強烈な個性で周りを振り回すハルコさんの1歩後ろに下がって日が当たらないところにいる。物語を動かさない・刺激を与えないというリアクション側の役。私(いづみ)目線で物語が進んでいくというストーリーテラーも初めてで、もうここまで新しい役はないんじゃないかなと思うぐらい、私にとっては新しすぎる役なんです。それに今回はコメディーですしね。今までの私はサスペンス系なんで(笑)。
「見せている顔と思っていることが違う」裏腹ないづみを楽しんで
――プロデューサーが「松本さんの本質はいづみ」と言ってました。松本:それを言われて、ちょっとドキッとしたんです。ある意味、私の本質かもしれないですね。そこを見抜かれているのが怖いです(笑)。いづみは頼りなくて、不安がいっぱいで、迷っていて、人にいつも影響される。それは逆に言えば素直ということなのですが、実はいづみにはすごく素直な部分とポーカーフェイスな部分があるんです。

――いづみが心の声でツッコミを入れる顔芸部分ですね?
松本:そうそう! すごく面白いのが、今回台本の中に「心の声」となる台詞がたくさん書いてあること。テレビ画面上では文字で表示されるのですが、演じる上では表情や仕草で表現するんです。だから、表面的には笑っていても心の中では毒づいていたり。素直じゃないところが人間らしいし、いづみは社会性も持ち合わせているので、人に見せている顔と心中で思っていることが違うんですね。その裏腹な面白さを今回いづみという役で表現したいなと思っているので、ドラマを見ている人にも、そこを楽しんでもらえたら嬉しいです!
