中国教育部留学サービスセンターがこのほど公表したデータによると、2025年に中国へ帰国した留学生は53万5600人に達し、2024年より4万600人、2023年より12万人増えました。留学生の「帰国ブーム」が引き続き強まっていることがうかがえます。

業界関係者は、中国人留学生の「帰国ブーム」は主に三つの大きな要因によって後押しされていると分析しています。

一つ目は、国際情勢の変化によって、より確実性の高い進路を求める動きが強まっていることです。グローバル化シンクタンク(CCG)の報告によると、地政学的要因や一部の国における科学技術政策の調整の影響を受け、米国など従来の留学先では将来の不確定要素が増えています。そのため、多くの高度人材、とりわけSTEM分野の留学生は、発展の見通しが安定し、研究環境にも確実性のある母国に、より目を向ける傾向が強まっています。

また、中国の人材誘致政策もますます整備されています。インキュベーション施設や国家級の創業・イノベーションモデル拠点などが、留学経験者のイノベーションや起業に対し、投融資や知的財産権をはじめとする一連のサービスを提供しており、その結果、彼らが飽和傾向にある中国の一線都市や二線都市に過度に集中する状況も変わりつつあります。北京市に拠点を置く人材サービス企業「智聯招聘」の最新報告によると、2025年には中国の三線・四線都市で、海外留学経験者からの応募がいずれも20%以上増加し、五線都市では30.8%も急増しました。こうした「地方都市」では、戸籍取得の優遇策や住宅補助、起業支援が手厚く、留学経験者が帰国する際の負担や障壁を下げています。

最後に、中国の産業高度化が大きな市場リターンを生み出していることも挙げられます。人工知能(AI)、バイオテクノロジー、新エネルギー、航空宇宙などの技術分野では、質の高い新たな成長余地が広がっており、留学経験者向けの主要ポストの給与も6年連続で上昇しています。

中国の民間教育機関が発表した2026年版「中国人学生の海外留学発展報告」によると、今年の中国人学生の平均留学予算は60万5000元(約1416万円)に達し、この12年で最高水準となりました。世界的なインフレの影響を受け、授業料や生活費などの支出が自然に増加しています。

コストが上昇しているにもかかわらず、留学市場の活況は衰えておらず、留学需要の底堅さと、教育投資に対する家庭の長期的な支持が反映されているといえます。(提供/CGTN Japanese)

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