日本の外務省が10日に発表した2026年版の外交青書は、中日関係の位置づけを「最も重要な二国間関係の一つ」から「重要な隣国」へと格下げし、中国が日本周辺で展開する一連の軍事活動を含め、日中間に多くの問題や課題が存在すると指摘した。一方で中国は、日本は「再軍事化」の路線を突き進んでいることが地域の平和と安定を脅かしていると主張し、現在の日本では「新型軍国主義」が勢いづいていると批判するようになった。
高市首相が25年11月の国会答弁で、中国が台湾を海上封鎖した場合は、自衛隊が集団的自衛権を行使する「存立危機事態」になり得ると述べてから、日中関係は国交正常化以来、最も深刻な対立に陥った。中国は高市政権に発言の撤回を求め、次々に「連続攻撃」を打ち出して圧力をかけた。具体的には日本への旅行や留学の注意喚起、中国の団体観光客や公務員の訪日の事実上の停止、日本経済界による訪中に対する遠回しの「辞退」申し入れ、軍民両用物品の日本への輸出規制の強化、日本の軍事力向上に関与する三菱造船など20の企業や研究開発機関を輸出規制リストに加えたことなどだ。
今年1月から2月にかけて、中国本土からの訪日観光客は前年同期の170万人超から54%減少して78万人余りに激減した。うち中国の政府系旅行会社が組織する訪日団体旅行はほぼゼロになり、地方政府や民間団体の各種交流や相互訪問もすべて「一時停止ボタン」を押された状態になった。
中国の航空会社は3月、53路線に上る日中路線の約2700便の運航を取り消した。本来ならば「桜のシーズン」ということで、中国側にとっては人気の日本観光シーズンだった。3月になり運航を取りやめた航空便の多くは、関西空港、沖縄、岡山、富山、静岡、長崎などの地方空港に到着する便で、中国人客に対する依存度が高い日本の地方空港やホテル、周辺の商業圏が影響を受けることになった。特に中国本土の客層は「団体規模が大きく、滞在時間が長く、客の消費額が高い」という特徴を兼ね備えているため、航空便の運休は日本の地方の観光業などに大きな打撃をもたらすと見込まれる。
もちろん、中国が日本路線便を運休させることは「諸刃の剣」だ。日中路線は国際路線として近距離であり、便数が多く、回転が速く、中国の航空会社や空港の国際業務での収入にとっても非常に重要だからだ。
日本の26年版の外交青書は、日中間に存在する多くの問題や課題には、尖閣諸島を含む東シナ海および南シナ海で中国が一方的に武力や威圧によって現状を変更しようと試みていること、ロシアとの協力を含め中国が日本周辺で展開している一連の軍事活動、さらには中国によるレアアースやその他の商品の輸出規制措置が含まれると論じた。
外交青書は高市首相が引き起こした中日の鋭い対立については一言も触れなかったが、台湾海峡の平和と安定は極めて重要と指摘した。青書は一方で、日本の一貫した対中政策は「戦略的互恵関係」を全面的に推進し、建設的かつ安定的な関係を構築することだと表明した。しかし他方で、中国が重要な隣国であり、かつ多くの問題や課題が存在することに鑑み、日本は引き続き中国と意思疎通を図り、国益を出発点として冷静かつ適切に対応していくとも表明した。
日本の外交青書が中国をこれまでの「最も重要な二国間関係を持つ国の一つ」から「重要な隣国」に格下げしたことは、日本の対中政治外交政策の重大な転換を浮き彫りにするものだ。すなわち中国の位置づけを地政学上な現実の問題がある隣国、言い方を変えれば「付き合わざるを得ないが、警戒を高めリスクを防ぐことに重点を置くべき隣国」へと転換したことだ。
日本の外交青書はさらに、日米同盟の抑止力と対処力をさらに強化することが極めて重要になったと強調した。また、米国がインド太平洋地域への関与を強化し続けることも重視した。同時に、多国間協力の枠組みを利用し、自由で開かれた国際秩序の維持と発展を重視する同志国との協力を強化することも強調した。そして主要7カ国(G7)、オーストラリア、インド、韓国に加え、東南アジア諸国や太平洋島嶼(とうしょ)国との協力、ならびに日米韓、日米豪、日米比、日米豪印などの枠組みを通じて、多層的な方法で同志国との協力を強化すべきだと主張した。











