丸々とした頭で愛らしい姿の長江スナメリが武漢の新たな「ネットでの人気者」になりつつある。かつてはめったに見ることができなかったこの「ほほ笑みの天使」は、今や個体数の減少傾向が止まり、回復に転じただけでなく、デジタル技術の本格的な導入により、「いつでも会える」存在へと変わりつつある。

人民網が伝えた。

ソナーとAIで長江スナメリに「デジタルID」

長江スナメリは長江流域の固有種であり、中国では最高レベルの保護対象となる絶滅危惧種となっている。

武漢市農業農村局の一級調査研究員である潘俊輝(パン・ジュンフイ)氏によると、デジタル技術を活用して長江武漢区間全域をカバーする長江スナメリ保護システムが整いつつある。

潘氏は「かつて長江スナメリのモニタリングは主に目視や限られた水中録音に頼っており、データは断片的で遅れがちだった」とし、「将来的には、該当区間の全ての水面にソナー設備が配置される。一つのソナーで数キロメートルの水域をカバーでき、各個体の位置をリアルタイムで特定できる」と説明した。

長江スナメリは人間の指紋のように、各個体が固有の「声紋」を持つ。システムは各個体を自動で識別し、移動の軌跡、捕食、遊び、さらには求愛行動まで記録している。負傷や異常行動が確認された場合には、システムがリアルタイムでアラームを発し、迅速かつ的確な救護を可能にしている。

デジタル技術が支える長江スナメリの帰還、「めったに見られない」から「いつでも会える」存在へ―中国

長江スナメリの帰還を見守る全市民

デジタル技術は長江スナメリの保護を政府主導から全市民参加型へと変えている。デジタル技術によって、保護活動を知り、参加し、広めることができるようになったのだ。

「デジタル長江スナメリ」というコンセプトから派生した長江スナメリの出産の様子が22年にメディアを通じて世界に配信され、2億2000万人がオンラインで視聴し、海外でも延べ3000万人が投稿を目にした。また、武漢市は「デジタル長江スナメリ守護者連盟」を結成し、ファーウェイ(華為技術)やアントグループなど大手企業も参入した。長江スナメリの姿は市内繁華街の400もの大型スクリーンに映し出され、武漢の生態文明建設の最も美しいスポークスマンとなっている。

「長江10年禁漁」の推進とデジタル保護手段の導入に伴い、長江スナメリは武漢区間で安定的に確認されるようになり、個体数も増加し始めている。その保護の物語は中国の生態文明建設のモデルケースとなりつつある。(提供/人民網日本語版・編集/NA)

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