韓国では若年層の期間制雇用だけが増え、正規職はもちろん自営業も減少した、と韓国紙が伝えた。企業が正規職の新規採用を減らし、自営業の景気までもが悪化した影響だ。

期間制雇用の増加は正規職や自営業の仕事を見つけられず押し出された若年層が「次善の策」として期間制を選択したためとみられる。

中央日報は韓国労働研究院の「月刊労働レビュー」4月号に掲載された「非正規職の雇用構造と労働条件の変化」と題する報告書を紹介。報告書によると、昨年8月時点で正規職として新たに就業した(新規入職者、勤続期間1年未満)34歳以下の若年層は、1年前と比べて6万9000人減少した。同じ期間、全年齢層の既存(勤続1年以上)の正規職労働者が2万7000人増加したのとは対照的だ。

既存の若年層の正規職も2024年に4万3000人減少し、2年連続の減少となった。昨年35~64歳の中高年層の正規職は約11万人、65歳以上の高齢層の正規職は9万人増加した。労働市場に新たに参入する若年層で正規職雇用の不振が際立った。

こうした中、若年層の自営業者数も減少した。昨年8月時点で若年層の自営業者は雇用者のいない自営業者で6万4000人、雇用者のいる自営業者で2万3000人減少し、合計8万7000人減少した。これは18年以降で初めての減少であり、その幅も大きかった。

半面、昨年フルタイムの期間制として新たに就業した若年層は5万4000人増加した。若年層の期間制増加は、教育サービス業、建設業、保健福祉業など全業種で広く見られた。

報告書では「期間制労働が安定した正規職につながる踏み石の役割を果たすよう、就業経験を体系化するなど政策的な取り組みを強化する必要がある」と政府や産業界に提言した。

一方、韓国銀行(中央銀行)は報告書で「韓国の若者たちが最初の仕事を得るまでにより多くの時間を要し、住居費の負担は前世代よりも重くなり、日本の『失われた世代』(ロストジェネレーション)」と類似した問題が再現される可能性がある」と警告した。

韓銀は「キャリア形成の初期段階にある若年層の求職期間が長くなれば、熟練の機会を失い、人的資本の蓄積が適切に行われないだけでなく、その後の生涯全体を通じても雇用の安定性が損なわれ、所得が減少する『傷跡効果(scarring effect)』を経験することになる」と懸念を示した。

韓銀の分析結果によると、未就業期間が1年の場合、5年後の常用職勤務確率は66.1%だったが、未就業期間が3年に延びると、その確率は56.2%まで下落した。併せて過去の未就業期間が1年長くなるごとに、現在の実質賃金は6.7%減少すると推定された。(編集/日向)

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