2026年5月18日、中国メディアの大象新聞は、武漢市の生態保護区域内で違法操業を続ける化学工場による深刻な汚染により、周辺住民のがん発症率が異常な水準に達していると報じた。

記事は、武漢市新洲区の黄土坡集落で人口585人のうち62人ががんや白血病を発症しており、15年以降だけで34人が発症、19人が死亡していると紹介。

中国国家がんセンター発表の全国平均である10万人当たり207.7人と比較して、同集落の発症割合は明らかに異常だと伝えた。

その上で、異常な発がん率の原因として疑われているのが集落に隣接する水ガラス(ケイ酸ナトリウム水溶液)工場だと指摘。この工場は環境影響評価や排水許可などの手続きを一切経ていない「無許可」の化学工場だった上、武漢市政府の指定した化学工場の建設が禁止されている基本生態管理区域内に位置していたと説明した。

武漢の生態保護区域に潜む違法化学工場、高い住民の発がん率―中国メディア

そして、現場では茶色の汚水が菜園を通って村の池へ流出し、農作物の成長阻害や魚の大量死が発生しており、第三者機関の分析によって排水のpH値が強アルカリ性を示し、色度は基準の500倍を超過していたと紹介した。

さらに、住民代表の張建勇(ジャン・ジエンヨン)さんが、村の水道が開通する16年まで住民全員が地下水を飲んでいたと証言し、近隣の多数の世帯でがんや白血病などの発症が相次いでいると述べたことを伝えた。

武漢の生態保護区域に潜む違法化学工場、高い住民の発がん率―中国メディア

記事は、武漢市生態環境局新洲区分局が採水調査を行い、「深刻な汚染は確認されず」と回答したことに触れる一方で、大雨で汚水が流された後の調査だった上、調査直前に同分局の職員が工場の経営者に排水口を塞ぐよう指示していたことが判明したと報じた。

報道によると、工場は22年に20万元(約460万円)の罰金が科されたものの、その後も汚染水を排出し続け、現在もひそかに操業している疑いがある。また、立ち入り検査記録や検査データ原本の公開を求める住民に対して、同分局は「企業の内部事項」という理由で拒否しているという。(編集・翻訳/川尻)

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