仏RFIの中国語版サイトによると、多くの人が21世紀は米中間の競争によって主導されると予測する中、米戦略予測専門家のパラグ・カンナ氏は「未来の世界を主導するのは中国でも米国でもない」との認識を示した。

人工知能(AI)を活用した地理空間予測分析プラットフォーム「AlphaGeo」の創業者兼最高経営責任者(CEO)であるパラグ・カンナ氏はこのほど、レクスプレスのインタビューで、ホルムズ海峡のような特定の戦略的領域における米国の影響力の弱さや、ロシアやインドといった他の大国に対する中国の影響力の弱さを指摘し、これが「新たな中世」の兆候だと主張した。

パラグ・カンナ氏によると、まず米国について見ると、カナダは輸出の85%を同盟国である米国に依存しているが、この割合は近いうちに減少するかもしれない。中南米に目を向けると、トランプ政権は水面下で、ベネズエラのマドゥロ政権の転覆や石油輸送ルートの変更、パナマ運河の戦略的支配(中国の運営会社の追放)、アルゼンチン、チリ、メキシコとの鉱物資源購入に関する二国間協定など数々の混乱を引き起こした。さらに、既存の封鎖に加え、キューバに対する制裁を強化したことも忘れてはならない。要するに、北極から南極まで、米国の影響力から逃れることは難しい。しかし例えばホルムズ海峡において米国は覇権国とは程遠い存在だ。米国はイランによる海峡封鎖を阻止することさえできない。ホルムズ海峡の戦略的重要性は、キューバやオーストラリアをも上回り、世界経済のボトルネックとなっている。言い換えれば、このような世界的に戦略的に重要な地域において、米国の影響力はほとんど無視できるほど小さいのだ。同様に、米国の影響力が衰えつつある兆候は、特に欧州において既に見られる。欧州は防衛と技術主権においてますます独立性を主張するようになっている。合理的かつ経験的な観点から見れば、米国は覇権国とは程遠いのだ。

アジアは多極化している。

中国は確かに大国であり、強硬かつ自己主張が強く、影響力も大きい。しかし、同じく大国であるインドを支配することはできないし、ロシアやカザフスタンを支配することもできない。中国が現在、インドの国境に及ぼしている圧力を考えてみてほしい。そしてどうなったか。ベトナムやフィリピン、インドネシアが中国に抑圧されそうになった時と同じようにインドも反撃した。つまり、大国に脅かされた国は決して屈しないという仕組みは、500年後も依然として機能していると断言できる。これは、中国がアジアを支配することは不可能であり今後も決してできないことを意味する。

1000年前、世界は一極支配ではなく、さまざまな権力の中心地により組織されていた。欧州は分裂状態にあり、中国は強大だったが、インドやアラブ世界も同様だった。つまり、権力は分散していた。ただし、15世紀に発見されたアメリカ大陸は例外だ。そして、まさにこれが私たちが今日経験していることなのだ。

これが、私たちが新たな中世に生きていると考える第一の理由だ。第二に、当時の権力構造が国民国家だけでなく公国にも及んでいたように、今日でも同様の力学が見られる。実際、特定の大国が力を増すにつれ、シンガポールやドバイ、アラブ首長国連邦(UAE)の他の都市など多くの都市が資本と人材の流れにおける重要な拠点となっている。イラン戦争のような混乱期でさえ、こうした潜在的に脅威となる地域に暮らす外国人らがその地に留まることを選択したことは、これらの中心的な都市が持つ計り知れない影響力を如実に示している。こうした小国や都市国家は、資本や富、人材、技術を引き付けることで新たな権力の中心地となっている。一方、大国は巨額の財政赤字や高齢化、老朽化したインフラなどの問題に直面して苦労している。(翻訳・編集/柳川)

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