天津豊通再生資源利用有限公司は、トヨタグループの総合商社である、豊田通商株式会社の独資企業として04年に設立。主に中国華北地域における鉄屑のリサイクルを主な事業とし、トヨタの高品質の製品を再生することで資源の節約と製品の質を保証する。
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リサイクル可能な鉄
―「木やプラスチックと違い、鉄は完全にリサイクルが可能な素材」
全世界で自動車生産事業を展開するトヨタ自動車(以下、トヨタ)。天津でも大規模な合弁工場で稼働させ、順調にシェアを伸ばしている。その事業をサポートする豊田通商株式会社の独資企業として04年、天津豊通再生資源利用有限公司(以下、TTRM)を設立。中国地区(主に華北地域)における鉄屑のリサイクルを主な事業としている。
車1台の重さが約1トン、その中に鉄の占める割合は約7割から8割。現在トヨタは、世界でもナンバーワンの自動車生産高を誇るが、それは同時に、世界で一番鉄を買い、世界で一番鉄屑を出していることを意味する。同社は、そのトヨタから出た鉄を回収・加工し、再び製品としてトヨタの自動車の部品として還元し、資源の再利用に務めている。
―鉄の品質を左右する純度
ロールの状態で売られている鉄は、コイルセンター(プレス工場)でプレスされる。極力無駄が出ないようにカットはされるが当然、鉄板の切れ端などは出てくる。その鉄の切れ端を、TTRMが回収・加工し、グループ企業を経て、新たに金型や鋳造部品として再生される。
鉄は鉄鉱石、コークス、鉄屑からできている。そしてその鉄製品の品質を左右するのが集められる鉄屑の成分であり、純度の高さが求められる。
―「安心」を求めて業務の透明化をはかる
日本、中国に関わらず、鉄屑回収業界は商品の性質上、売却される廃材の価格設定をはじめとした資産管理の不透明さ、資産価値の低い廃材の不法投棄、現金取引をし脱税するなどのケースが少なくない。また工場の廃棄物には当然価値の無いものもあり、お金を払って「捨てる」廃材を、資産価値の高い「売れる」廃材との交換条件で回収する業者もある。こういう場合、ほとんどが本来なら高く売れる廃材をまんまと取られる。問題の本質は、契約上の問題ではなく、こういった取引が汚職の温床となっていることである。「廃材の再利用」という美名の陰には、まだまだ企業のコンプライアンスが立ち遅れている現実が潜む。
―「この業界は誰でも参入できるんですよ」(森博志総経理)
TTRMでは、鉄屑以外の廃棄物も一手に取り扱い管理を強化、排出者責任を履行することで、環境に配慮した企業であるという印象付け、コンプライアンスを強化し取引の透明化をはかる。近接地立地で顧客のラインを止めない最適化された流通の確保に努める。
会社設立から4年、最近は中国現地の優良企業との連携も強め、不正取引などに対抗するノウハウを蓄積している。誰でもできるこの業界で顧客の信用を勝ち取るには、「安心」ブランドを確立し、長く継続的な事業が展開できるモデルを構築、競争力を強化することが必要。近い将来、マイカーブームに沸く中国が、廃車処理の問題に直面するのは必至。同社の発展空間は限りなく広く、その責務は「鉄」よりも重い。
同社総経理の森博志さん
天津経済技術開発区永豊街47号TEL:022-6623―0271
※このインタビュー記事は、現地の日本語情報誌『SUPERCiTY』による提供です。今の中国を知るための総合情報ポータルサイト URL:http://www.chinasupercity.com/
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