「黒色羽毛(ハンドルネーム)」さんは18日、ポータルサイト「鳳凰網」が運営する投稿ページ「鳳凰網論壇」に、「これはびっくり! 少林寺の門前で水着美女多数が美脚を披露」と題して、17日午後に河南省の嵩山少林寺の門前で行われた2009年世界観光大使コンテスト絡みのイベントの様子を紹介した。

 「黒色羽毛」さんによると、イベントは河南省地区でエントリーした女性のうち8人が参加して30分間ほど続いた。
今回のコンテストには文化・エコ・調和・発展とのテーマが設けられているが、「黒色羽毛」さんは「このイベントは、大会テーマに似つかわしくない。少林寺のような安静な仏門の地で行ったことは、セクハラとも言える」と批判した。

 寄せられたコメントの多くは、名刹の門前で「色欲」にまつわる催しを行ったとする批判と皮肉だ。「仏教聖地だぞ」、「とんでもない」、「仏門浄地の4文字を汚さないでくれ」、「男を征服するには、まず和尚から」、「和尚の体に火をつけ、鼻血を噴き出させるのか。可哀想な和尚よ。南無阿弥陀仏」などの書き込みが並んだ。

 現在の少林寺の隆盛をもたらしたとされるのは、同寺方丈(最高責任者)の釈永信和尚だ。1980年代後半から、文化大革命などで破壊された寺院施設の修復、国内外での演武の披露、台湾仏教界との交流、貧困者支援活動など、さまざまな分野で積極的に活動するなど頭角を表した。

 経営手腕に富んでいることから、釈和尚は「少林寺CEO(最高経営責任者)」などと呼ばれることがある。同寺と地域を活性化したとの評価がある一方、由緒ある寺院を観光化・商業化したとの批判もある。

 「美女イベント」に寄せられたコメントでも「今の少林寺は、やるべきことと、やるべきでないことの区別がついていない。すべて金のため」、「数千年の仏教文化と相いれない。
和尚らは何をしている。私たちは仏教文化を尊重したいのに」、「釈大師、来世は魔界行き」、「釈永信らは、完全に淫僧、邪僧」など、かなり厳しい調子の批判がある。

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◆解説◆
 日本では江戸時代、寺院諸法度により浄土真宗以外の僧侶の妻帯が禁止されていた。宗門の戒律だけではなく、行政による統制の一貫として定められていたことが特徴だ。明治5年の太政官布告で僧侶の妻帯が認められ、次第に多くの宗派が妻帯を認めるようになった。

 中国では党・政府が「国家の安定に関係する」と判断した場合を除けば、各宗派の教義問題は比較的自由。そのため、戒律にもとづき男女交際や結婚を認めない宗派が多い。そのため、名刹である少林寺門前での女性が「肉体美」を誇示するイベントに、違和感や反発を感じる人も多い。

 嵩山少林寺の創建は496年。インド生まれで6世紀前半に中国に渡った(伝)ボーディダルマ(菩提達磨。日本ではしばしば達磨と通称)がいた寺としても有名。ボーディダルマがインド禅を伝えたので、嵩山少林寺は中国禅宗の発祥地にもなった。


 少林寺は、修行僧らによる武術でも知られる。かつては一般にそれほど知られていなかったが、武術映画「少林寺」(1982年作品。主役は李連傑=ジェット・リー)で一躍有名になった。同映画は、大ヒットにともない武術にあこがれた各地の若者が家出して少林寺をめざすなど、文化大革命が終了して間もない中国社会に大きな影響を与えた。(編集担当:如月隼人)

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