スウェーデン代表FWヴィクトル・ギェケレシュはゴールという目に見える結果で自身の評価を覆し、アーセナルを悲願のタイトルへ導こうとしている。 

 近年あと一歩のところでタイトルを逃し続けてきたアーセナルだが、今シーズンはプレミアリーグとチャンピオンズリーグ(CL)の2冠に迫っている。
22年ぶりの優勝を目指すプレミアリーグでは残り2節時点で勝ち点「79」を獲得し、1試合消化の少ない2位マンチェスター・シティと暫定「5」ポイント差。CLでは20年ぶりに決勝進出を果たし、クラブ史上初のビッグイヤー獲得へ王手をかけた。

 昨年夏には推定総額2億5500万ポンド(約544億円)を注ぎ込む超大型補強を敢行。その目玉として加入したのが、スポルティングで公式戦102試合出場97ゴールという異次元の成績を残したギェケレシュだ。エースナンバー「14」を託されたストライカーはシーズン前半戦こそなかなかネットを揺らせず、批判に晒されることも少なくなかったが、シーズン終盤にかけて得点量産体制に。プレミアリーグでは二桁得点を達成し、公式戦通算ではここまで21ゴールを挙げている。

 アーセナル加入初年度での20ゴール到達はチリ代表FWアレクシス・サンチェス(現:セビージャ)以来の快挙。最前線での果敢なプレスや背後への抜け出しなどオフザボールでの貢献度も高く、課題と言われていたポストプレーも徐々に上達。また、負傷離脱の少なさは超が付くほどの過密日程を強いられたアーセナルにとって大きな助けになっている。

 かつてアーセナルの“ライバル”マンチェスター・ユナイテッドで長く活躍した元イングランド代表FWウェイン・ルーニー氏はイギリスメディア『スカイスポーツ』にて「今シーズンずっと言い続けてきたことで批判も受けたが、私は彼(ギェケレシュ)のことを気に入っているんだ」とコメント。その上で、ギェケレシュの特徴がアーセナルの攻撃にもたらしている利点について次のように語った。

「彼がアーセナルにもたらしたのは、DFを引き付けることだ。
スペースに駆け抜け、相手チームのDFを動かす。最近ではエベレチ・エゼとブカヨ・サカにスペースが生まれている。センターバックのどちらか、もしくは両方が彼をカバーし、さらにサイドバックもその周りをカバーしなければならない状況で素早くボールを動かせば、大きなスペースが生まれるんだ。ここ数週間で彼はその能力をさらに発揮している」

 今シーズン残されているのはバーンリー戦、クリスタル・パレス戦、そしてパリ・サンジェルマン(PSG)とのCL決勝。2冠の可能性を残す中、3試合で運命が決まる。ルーニー氏は「アーセナルがリーグとCL両方を制覇すれば、彼はその大きな要因となるだろう。ここ数年、得点力不足に悩まされていたからね。(アーリング・)ハーランドほどゴールは多くないが、彼はアーセナルにとって非常に重要な存在であり、タイトル獲得の鍵を握るだろう」とギェケレシュへの期待を口にしている。

 そんなギェケレシュはFIFAワールドカップ2026に臨むスウェーデン代表に選出。グループステージでは日本代表とも対戦する。
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