◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 23年に続き、WBCを取材した。準々決勝で対戦したベネズエラ。

強かった。メジャーでもチームの中心選手が多く、大会前は米国やドミニカ共和国の陰に隠れ気味だったが、頂点に立った。改めて世界の野球のレベルの高さを目の当たりにした。

 侍ジャパンの敗因の一つに「ピッチクロック」(投球時間制限)が挙げられた。メジャーでは23年に導入。NPBでは導入されておらず、侍戦士は苦しんだ。能見投手コーチも「自分たちのリズムで投げられないのはキツい」と投手陣の思いを代弁した。

 大会後。何人かの日本人メジャーリーガーにピッチクロックのNPBでの導入の是非について取材した。大谷(ドジャース)は「導入するべきだとはもちろん思う」と言い、菊池(エンゼルス)は「取り入れるべき」、菅野(ロッキーズ)も「導入できるのであればした方がいい」と口をそろえた。

 ただ、3人の発言には前置きがある。「世界で勝ちたいなら」(大谷)、「WBCで勝つことを考えたら」(菊池)、「世界基準で戦うため」(菅野)。

主張した思いの先にあるゴールは、国際大会での勝利だった。

 ただし、NPBが目指す最優先事項がWBCの優勝かといったらそうではなく、日本の野球を盛り上げることだろう。ピッチクロックで削られた投球間隔が肩肘の負担となり、故障が増えているという仮説もある。試合時間の短縮は興行面にも少なからず影響はある。例えばバスケのNBAは国際ルールと試合時間すら違う。NPBは結論を急がず、慎重に議論していく必要がありそうだ。(メジャー担当・安藤 宏太)

 ◆安藤 宏太(あんどう・こうた) 13年入社。19年から現職。30球団の本拠地球場制覇へ残すはあと1つ。

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