巨人は同点の9回に佐々木俊輔外野手がサヨナラ2ランを放ち、広島に競り勝った。完全復調へ歩みを進める先発の戸郷翔征投手は5回6安打3失点で今季初勝利はお預けとなった。

野球評論家の清水隆行氏が戸郷の現状を分析した。

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 戸郷は収穫も課題も見えたマウンドだった。良かった点は、真っすぐの質が向上していたことだ。球速も150キロを計測し、ファウルも空振りも奪えていた。課題の一つだったシュート回転して中に入るような球もほとんどなかった。

 一方で、気になったのはフォークの精度だ。広島も特に低めのフォークはかなり徹底マークしていただろうが、いい高さから落ちたなという球でも振ってもらえなかったり、ちょっと浮けば対応されたりしていた。

 5回に菊池、小園を連続で空振り三振に仕留めたが、フォークで空振りを奪ったのはこの2球のみ。5回110球のうち、フォーク自体も22球にとどまった。戸郷の中では少ない方だし、普段なら「このカウントならフォークで勝負するだろう」という場面でも、選択しない場面が散見された。特に走者を背負う場面が続いたし、あれだけ見切られたことで、選択しにくい球にされてしまっていた。

 戸郷と言えばやはり、真っすぐとフォークのコンビネーションだ。

直球は復調の兆しを見せたが、決め球についてはいい時からすると、まだ物足りなさが残る。打席からの見え方が違うのか、軌道が違うのか。突き詰めていってほしい。(野球評論家)

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