サッカー日本代表は15日午後2時から、都内で北中米W杯メンバー26人の発表会見を行う。運命の日を翌日に控えた14日、森保一監督(57)らスタッフは、千葉県内の日本代表拠点・JFA夢フィールドに集結。

慎重な検討を重ね、人選の最終調整を行ったが、最後は指揮官の決定にゆだねられた。2月の左足首負傷から復帰ができていない主将のMF遠藤航(33)=リバプール=をメンバーに加えるか否か、などが争点になったとみられる。

 午前中から夢フィールド内の施設にこもった森保監督が、帰路に就いたのは午後6時すぎだった。発表を翌日に控えた指揮官は、メンバーの大部分は決定したことを示唆しつつ「最後まで悩みます。(26人に)入れる人のことも、外れる人のことも」と話した。発表当日まで、何がベストな選択なのか、考え続けることを明かした。

 最大のポイントは、負傷者の回復をどこまで待つかだ。中でも2月に左足首の手術を行った主将のMF遠藤は、最も決断が難しい状態だ。復帰に向けて懸命なリハビリを続け、本格的なトレーニング復帰へ近づいているとの海外報道もある一方で、試合復帰へのメドは立っていない。

 攻撃の核と言えるMF三笘が、9日に負った左太ももの負傷でW杯中の復帰が困難に。昨年12月に負った左膝前十字靱帯(じんたい)の断裂から、復帰に向けて屋外トレーニングを再開しているMF南野も、実戦復帰への道筋は見えていない。三笘、南野のメンバー入りが厳しい状況も踏まえ、精神的支柱の遠藤だけは回復を信じてメンバーに加えるのか。

それともコンディションを優先して、25年3月以来、招集していないMF守田ら別の選手を加えるのか。正解のない答えを、森保監督は導き出さなければならない。

 日本代表の歴史で初めて、2大会連続でW杯の指揮を執る森保監督は、数多くの選手をチームに組み込み、誰かひとりに頼らないチームをつくり上げてきた。W杯優勝という壮大な目標に挑む26人。決断の時が、とうとうやってくる。(金川 誉)

 遠藤が主戦場とするボランチ枠は、4人または5人とみられる。遠藤の状態は懸念されるが、日本代表のボランチはかつてないほど層が厚い。軸は昨年10月のブラジル戦(3〇2)、今年3月のイングランド戦(1〇0)で、ともに先発したMF鎌田と佐野海。W杯優勝候補にも挙げられる強豪チームを相手にも機能したコンビが、レギュラー候補の最右翼だ。

 さらに22年カタールW杯のスペイン戦でもゴールを決めたMF田中碧の選出が確実。残りの席を遠藤、成長著しい藤田、昨年3月以来代表から遠ざかる守田が争う。現状の調子で言えば、スポルティングの欧州CL8強入りに貢献し、Rマドリードの獲得候補にも挙がる守田に軍配が上がるが、藤田もコンスタントに出場を続けている。

好調の守田か、若さの藤田か、経験豊富な遠藤か。指揮官が何を重要視するかが、この決断で見えてくる。

◆日本の過去のW杯代表発表カッコ内は大会成績

 ▼98年フランス 岡田武史監督は25人が参加したスイスでの事前合宿でFW三浦知良、MF北澤豪、DF市川大祐の3人を宿舎部屋に呼び、落選を通告。直後に練習グラウンドで発表会見を行う。「外れるのはカズ、三浦カズ…」の発言が話題に。(1次L)

 ▼02年日韓 トルシエ監督はフランス―ベルギー戦視察でパリ郊外の自宅におり、発表30分前にメンバーを日本協会側に通達。協会の強化推進本部・木之本興三副本部長が23人を読み上げた。MF中村俊輔がまさかの落選。ベテランのFW中山雅史、DF秋田豊がサプライズ選出。(16強)

 ▼06年ドイツ ジーコ監督の発表まで、会見に同席した日本協会・川淵キャプテン、通訳らもメンバーを知らされていなかった。「ヤナギサワ、タマダ…ムァキ」と最後の23人目にFW巻誠一郎の名前を告げた。エース格だった久保竜彦は腰痛を懸念され、驚きの落選。

(1次L)

 ▼10年南ア 岡田武史監督が23人を読み上げ。負傷の影響で同年公式戦で出場のなかったGK川口能活がサプライズでメンバー入り。指揮官は「表現は悪いかもしれないが、ハエがたかるように何度も何度もチャレンジする」と発言し、守備的な戦いを示唆。(16強)

 ▼14年ブラジル ザッケローニ監督が23人を読み上げ。同体制で出場わずか1試合だったFW大久保嘉人がサプライズ選出された。負傷の影響で招集が危ぶまれていたDF内田篤人、MF長谷部誠らもメンバー入り。(1次L)

 ▼18年ロシア 西野朗監督が23人を読み上げ。直前の活動から年齢の若い順にリオ五輪世代の3人(MF井手口陽介、MF三竿健斗、FW浅野拓磨)が落選。ハリルホジッチ氏の電撃解任から間もないチームとあって経験値を重視し、平均年齢は過去最高の28・17歳となった。(16強)

 ▼22年カタール 森保一監督はGK3人を読み上げた後、フィールドプレーヤーはポジションごとではなく、異例の年齢順で発表。エース的存在で選出が確実視されていたFW大迫勇也がまさかの落選となり、前年の東京五輪メンバーから10人を選出。26人中19人が初W杯の若手の勢いを買った選考になった。

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