◆日本生命セ・パ交流戦 2026 巨人5―4オリックス(3日・東京ドーム)

 巨人が絶対に勝ちたかった一戦でオリックスにミラクル大逆転勝利を飾った。長嶋茂雄さんの一周忌で「FOR3VER 6・3~長嶋茂雄~」と銘打って開催されたメモリアルゲーム。

しかし、先発の戸郷翔征投手が2回にまさかの危険球でわずか14球で降板。2番手・森田駿哉投手がロングリリーフで好投を見せたが、6回に4連打を浴びるなど3点を失った。打線も曽谷投手の独特のスライダーに手こずり6回までわずか1安打。しかし3点ビハインドの8回に代打・丸佳浩外野手が、劇的な逆転満塁ホームラン。天国の長嶋さんに勝利を届けた。

 波乱の幕開けだった。先発の戸郷は立ち上がり、先頭のオリックス・宗に初球から3球続けてボール。大事な一戦への責任感からか緊張の色が見えたが、ここからストライクを続け最後は150キロ直球で空振り三振に。3者凡退で初回を終えたが、2回に予想外のアクシデントが待っていた。4番・紅林への初球、フォークがすっぽ抜け、何とか避けようと体をよじった紅林のヘルメットを直撃。審判団が協議の上、「危険球」とアナウンスされ、退場となった。スタンドがざわめく中、右腕はうつむきながらマウンドを降りた。

わずか14球での降板だった。

 突如のアクシデントで、2番手として急きょ登板したのは森田だった。それでも後続を断ち、2、3回を無失点に抑えると、3回の攻撃ではそのまま打席へ。続投した4回もテンポよく3者凡退に抑えた。5回も先頭の西野に死球を与えながら、後続を断って無失点。2~5回まで1本の安打も許さず、試合を作った。

 暗転したのは6回だった。無死から宗に初安打を許すと、ここからオリックス打線の勢いに飲み込まれた。4者連続安打で1点を失い、なおも無死満塁から、山中に犠飛を浴びたところで降板。3番手・高梨も2死後に申告敬遠で満塁となってから、8番・渡部に痛恨の押し出し四球で3点目を失った。

 何とか反撃したい巨人打線だったが、気持ちが空回りした。曽谷の独特の変化を見せるスライダーにタイミングが合わず、凡打の山を築いた。

3回2死から、松本剛がチーム初安打を放ったが、続く浦田は追い込まれてから左腕のスライダーに腰が引けて背後に転倒。だが、そこから鋭く曲がったボールがストライクとなり見逃し三振となった。それほど変化球が切れ味鋭く、6回までわずか1安打で無得点&8三振と、攻略の糸口をつかめなかった。

 それでも、7回にダルベックが右翼ポール際へパワーで9号ソロを運び、ようやく初得点。だが、この回の反撃はここまでで、曽谷に7回1失点10奪三振の好投を許してしまった。

 しかも、8回に堀田がオリックス野口にソロを浴び、再び3点のビハインドに。もはやここまでか…。そんなムードが漂い始めた東京ドームだったが、最後に奇跡的なドラマが待っていた。8回、2番手・椋木投手を攻め、1死から3連打で満塁となってから、打席には代打・丸が向かった。何かが起こるのか…。巨人ファンのそんな願いにも似た予感を、ベテラン打者が実現した。丸がフルスイングすると、打球は右翼席の長嶋さんが写る看板へ向かって一直線。

スタンド上段に突き刺さる代打逆転満塁ホームランとなった。イニングの合間には王貞治氏らミスターゆかりの人たちからメッセージが寄せられるなど、特別な一戦となったこの夜、東京ドームはこの日最大の歓声に包まれた。

 長嶋さんが亡くなった昨年6月3日のロッテとの交流戦開幕戦は雨天中止だったが、翌4日の同カードは敗戦。「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」と銘打たれた同8月16日の阪神戦も0-3で完敗した。一周忌となったこの日もゲーム終盤まで敗戦濃厚ムードとなったが、丸の一振りが全てを変えた。ミスターに捧げるミラクル大逆転勝利で連勝。改めてその存在感の大きさを感じ、勝利にしびれる夜となった。

編集部おすすめ