2026年7月30日、中国メディアの第一財経は、ノーベル経済学賞受賞者のダロン・アセモグル教授が米実業家イーロン・マスク氏に2036年までの全財産寄付を提案し、マスク氏が応じたことを報じた。

記事は、アセモグル教授が、マスク氏の「36年までに金銭は重要でなくなる」という過去の発言を引用し、1兆ドル(約160兆円)に上る全財産を慈善団体に寄付すると誓約するよう提案したことを紹介。

この提案には、人工知能(AI)技術に対する信頼性を向上させ、大富豪の社会的・政治的な影響力などに対する人々の懸念を緩和する意図があったと伝えた。

そして、提案に対しマスク氏が、「私はそのようなことをするつもりだ」と反応したものの、具体的な計画や実際に全財産を寄付するかどうかについての明言は避けたとしている。

また、マスク氏が慈善活動に対して慎重な姿勢を示しており、人類を助ける意思はあるものの「効果的な慈善活動を行うのは極めて難しい」と考えていることに言及。アマゾン創業者の元妻マッケンジー・スコット氏が25年に260億ドル(約4兆1800億円)に上る寄付を行ったことに対し、ネット上で「世界を悪化させることに資金を使っている」と批判する声が上がった際、マスク氏自身が「残念ながら、その通りだ」と同調した事実を紹介した。

記事は、マスク氏が昨年末に約1億ドル(約160億円)相当のテスラ株を詳細非公表の団体へ寄付したほか、自身の「マスク財団」を通じて2024年に約4億7400万ドル(約760億円)を寄付したことを紹介する一方、現在の純資産(約7090億ドル、約114兆円)を見れば慈善活動の規模は限定的であるとした。

さらに、寄付総額の8割近くがマスク氏自身が立ち上げた教育組織「ザ・ファンデーション」に向けられたものであるなど、寄付金の性質に疑問の声も上がっていると指摘。医療支援や災害・住宅支援といった一般的な非営利団体への寄付は、それぞれ数百万ドル規模にとどまっていると伝えた。(編集・翻訳/川尻)

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