江蘇省塩城市はその地名の通り、2000年以上昔の前漢の時代から「海塩づくりの街」だった。その塩城市は今や洋上風力発電の重要拠点だ。

海外での展開も加速している。

塩城の洋上風力発電の電力網への送電規模は中国最大で全国の約15%、世界の約7%の720万3750キロワットに達した。さらに塩城市の洋上風力発電完成機の生産能力は全国の40%以上、ブレードは20%を占めており、世界でも洋上風力発電設備の総合生産能力が最大だ。

塩城市には582キロメートルの海岸線があり、市内の射陽港、浜海港、大豊港では中国内外に向けて発送される風力発電ブレードが列をなして船積みを待っている。どの港でも作業が急ピッチで進められている。送り先は世界の40以上の国と地域に及ぶ。

中国中車といえば、鉄道車両の製造などで知られる企業だが、塩城市内にある傘下の風力発電ブレード工場である中車射陽基地では、130メートル級の超長ブレードが2026年の第3期分の海外出荷を終えた。この工場では生産ラインのスマート化により、製造時間がそれまでの90時間から48時間に短縮された。また、炭素・ガラス繊維の混合材料により126メートルのブレード1本の重量を1.5トン削減した。さらに注目に値するのは、長さ110メートルの「完全リサイクル可能」な風力発電ブレードがこの工場で開発されたことだ。ブレードは使用終了後に樹脂とガラス繊維が完全に分離可能で、回収された繊維の純度は95%を超える。この技術は業界における退役ブレード処分の難題を解決した。

中車射陽基地で生産される洋上風力発電ブレードは中国国内市場の約3分の1のシェアを占め、さらに北欧、南アジア、米大陸などに広く販売されている。

中国の風力発電設備大手である金風科技は塩城市内に巨大生産基地を保有している。この生産基地はさらにブラジルに進出し、現地事情に対応した風力発電機の製造を始めた。さらに、南アフリカに6カ所目の「現地顧客対応型工場」を建設した。同社の製造センターの責任者は、同社の世界展開を、「注文を追いかけて走る」という「遊牧モデル」から、海外に「根拠地」を建設して「深く耕すモデル」へと転換しつつあると説明した。金風科技は現在までに米国、オーストラリア、ブラジル、パキスタンなどに、稼働中の風力発電機の遠隔管理、技術支援、部品倉庫の機能を併せ持つ工場6カ所を建設した。

中国の大手産業用機器メーカーの上海電気集団が塩城市内に設立した上海電気風電設備東台では25年、海外からの新規受注が前年比で84.8%増加し、洋上風力発電の累計設備容量が11年連続で中国1位だった。

オマーンでは上海電気風電が現地企業と総投資額2億ドル(約320億円)の風力発電機製造工場を共同建設した。中国側が技術と生産ラインの設計を提供してオマーン側が工場を運営する方式で、年間生産能力は1100メガワット分に達する。同工場はすでに第1期分の出荷を行った。上海電気風電は国際化の目標として、これまでの「工事請負の受注を獲得」を目指すのではなく、「製造設備の海外進出」への転換を掲げている。

塩城市には一定規模以上の風力発電設備企業が41社あり、研究開発設計、設備製造から資源開発、運用保守サービスに至るまでの産業チェーンの全体が非常に整っている。

風力発電機1台には1万点以上の部品が必要で、300社以上のサプライヤーが関わるが、重要な部品の多くは地元の塩城で調達でき、95%の部品は江蘇省内で入手することが可能だ。このような企業集中による高効率は中国国内の風力発電関連製造拠点でも多くは見られない。(翻訳・編集/如月隼人)

編集部おすすめ