香港誌の亜州週刊はこのほど、朝鮮半島の現状を解説する記事を発表した。米、韓、北朝鮮、中の思惑が入り乱れる状況という。

以下は、同記事の主要部分を再構成した文章だ。

米国のトランプ大統領は、韓国が対イラン行動への協力を拒否したことに不満を抱いた。そして一転して、北朝鮮側と接触し対話を再開しようと試みた。北朝鮮側は明確な態度を示していない。韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は戦時作戦統制権を取り戻し、半島和平における発言権を手に入れ、さらに中国を対話に組み込む姿勢だ。

米韓が毎年下半期に実施する戦区級合同演習は今年、米国側によって突如、大幅に縮小された。トランプ大統領が演習縮小を命令した前日、李大統領は光復節(8月15日の独立回復記念日)の演説で、朝鮮戦争の完全な終戦に向けての対話の開始を提起した。その後、韓国を訪問した中国の王毅外相も、韓国と北朝鮮の平和共存を公に支持した。

1953年に結ばれた朝鮮戦争の休戦協定は、厳密には軍事行動を停止したにすぎず、半島は依然として休戦状態だ。休戦に反対した韓国の政権は協定に署名しなかった。韓国の李政権はこの「歴史的欠落」を交渉の入り口とし、核問題を平和体制への転換過程に組み込んだ。というのは北朝鮮との交渉で、半島南北の関係ではなく北の核の放棄が最優先の議題になれば、その取引は米国の安全保証に集中し、韓国の影響力は極めて限られ、韓国は蚊帳の外に置かれる可能性が高い。

わずか1週間のうちに半島に対話への道筋が繰り返し現れたが、韓国側が見出したのは各国の立場の違いだった。トランプ大統領は核問題を自らと金正恩氏の個人的な交渉に持ち込むことを望んだ。中国は米国の北朝鮮に対する敵視政策放棄を情勢緩和の第1歩とみなした。一方の北朝鮮は韓国が提起する対話を拒否し、ミサイル試射で強硬な立場を示した。

北朝鮮は2019年の時点で韓国に対し米朝交渉からの離脱を要求した。それから7年が経過し、韓国の立場はさらに不利になった。北朝鮮は韓国を敵対国家と強調し、話し合うことはないと宣言した。北朝鮮はロシアや中国との関係改善により行動の選択肢を増やし、韓国を利用して米国に接近する必要性は低下した。

韓国の排除は北朝鮮の「固定された」交渉戦略になった。北朝鮮は事実上の核保有国として米国と直接交渉し、安全を保証させて制裁緩和を推進すると同時に、韓国を米国の管理が必要な属国に格下げすることを望むようになった。

一方で、李大統領は休戦体制から平和体制への転換に力を入れるようになった。そうなれば交渉では南北の軍事境界線といった議題に触れることになり、直接の当事者である韓国を迂回することは不可能だ。

李大統領は自国を「和平の後押し役」と再定義した。しかし交渉のテーブルにおける韓国の重みは、共同防衛体制の危険と代償に対する(米国の)判断に影響を与えられるかどうかにかかる。

李大統領は自国が主要な軍事的危険を負う状況に対し、作戦統制権の移譲を掲げた。韓国は約45万人の兵力を擁する半島防衛の主力だが、戦闘状態になれば部隊は現行の連合司令部によって指揮される。現在の体制では米国の将官が司令官を務め、韓国は副司令官にとどまる。韓国が国土の損壊という巨大な代償を負う一方で、米国側は作戦遂行上の最高の権力を握ってきた。

米韓が立案した移譲案では、将来の連合司令部では韓国の将官が司令官となり、米国の将官が副司令官を務めるように改められる。韓国が真に期待しているのは、連合司令部内部の軍事的判断の形成過程により大きな影響を及ぼす制度的な権力だ。李政権は自国の長期的利益に合致する平和的取り決めを模索し続けている。(翻訳・編集/如月隼人)

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