どうしてこんな本を書いたのか、著者の山田昌弘さんに聞いてみた。もともと山田さんは、京都大学歴史研究会のOBで、その中の有志で話していたことをホームページにまとめたところ反響があって書籍化されたそう。
山田さんいわく、「歴史オタクが高じて、色々調べていると、現代的な切り口も見えてくる。歴史上の有名な人物は多くが変わり者で、社会的な適応性に乏しいダメ人間だった。今に置き換えて考えれば、オタクな人物も多い」のだとか。
中でも、世界史ダメ一番人気のキルケゴールは、メイドを大事にすればデンマークは素晴らしい国になると言い切ったメイドマニア。ちなみにキルケゴール(キェルケゴール)は、デンマークの哲学者であり、実存主義の創始者で著書「死に至る病」が有名な人。
日本史ダメの一番人気は、徒然草で有名な吉田兼好。優れた洞察力がある人生の達人のように思われていますが、実は現実に生きる女はいらない、女抜きの暮らしを提唱した人。そのくせ恋愛が大好きで、今でいえば、文字の中の女性に恋い焦がれる二次元オタクそのもの。昔でも相当危ない人みたい……。
山田さんのいた京都大学歴史研究会は会員のほとんどが男性で、いわば歴女ならぬ歴男の集団。しかもオタクばかりだったとか。
だからいくらでも、歴史オタク話ができて楽しめたんだそう。つまりオタクならではの感性でオタクを批評したということなのですね!
オタク同士にしかわからない視点で見る歴史。これなら歴史嫌いでも楽しめるかも?!
(カシハラ@姐御)