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「風立ちぬ」をどう語るかでわかる3つのクリエイタータイプ

「風立ちぬ」をどう語るかでわかる3つのクリエイタータイプ
『風立ちぬ スタジオジブリ絵コンテ全集19』徳間書店<br />これ、すごい! 映画を観た人はありありと思い出せるほどに緻密です
クリエイターは3つのタイプにわけられる。
その3タイプが『風立ちぬ』にうまく登場しているので、紹介していこう。

【二郎:夢想オタク型】
主人公の堀越二郎は、夢想オタク型だ。
ものづくりが大好きで、その世界に入ると、他が見えなくなるタイプ。
だから、呼びかけに気づかないシーンが何カ所もでてくる。
たとえば、三菱に入社して初日。ハットリ課長がのぞき込んでも気づかない。「ハットリです」と言われてもノーリアクション。ふっと顔をあげて課長の顔を見るが、なんだかまだ心はスケッチの世界にいる感じ。あわてて黒川さんが「設計課のハットリ課長だ」と大声を出して、二郎はようやくわれに返るのだ。
この後の喫茶店では、ハットリ課長もなれてしまっている。夢中になって返事をしない二郎を黒川さんが怒ろうとしても、手をあげて制して、待つのだ。

設計に夢中になっていたり、飛行を眺めているときに幻視のように実際とは違うモノをリアルに観たり、体感するのも、夢想オタク型の典型だ。
図面に計算式を書いていると、二郎の脳内に飛行機が飛ぶ。その飛行機は自分が思い描いているのでない。思い描かされているのだ。そのため支柱が折れそうになっても、その想像を自分でコントロールすることはできない。飛行機は空中分解し、堀越は机ごと落ちていき、だぶっとしたスーツが風をはらみ、書類が宙を舞う。
プロジェクトが終った後、軽井沢で休暇をとっているシーン。ねころび、目を閉じたときに、自分の設計した飛行機が空中分解するようすを思い出す。これは、クリエイターなら誰でもすることだろう。だが、この後、二郎が目を開く。天井をながめる。その後に、格納庫に集められた残骸を見つめている自分のシーンが挿入される。二郎は目を開いても、リアルに飛行機のことを夢想しているのだ。

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