「新・牡丹と薔薇」(東海テレビ、フジテレビ 毎週 月〜金 ひる1時25分〜)1月6日(水)第24話「役立たずのメス豚ッ!!」より 原作・脚本:中島丈博 演出:藤木靖之
ひどい。姉をメス豚呼ばわりする美輪子「新・牡丹と薔薇」24話
イラスト/小西りえこ

役者はそろった?


初期メンバーが再び集結!
世奈子(田中美奈子)に、小日向家の家政婦・平野(平田まり)に、瀬尾綱輝(片岡信和)とずらり勢揃い。
このひとたちは、何年経っても変わらず、世奈子はいつも不満そうな口元をしているし、平野は小狡そうな目をしているし、瀬尾はちゃらっとしているし、安定した小物っぷりを振りまいてくれます。

ぼたんが亡くなってから現実感がなくなってしまい、下衆な女とばかりつきあっているという瀬尾さん。そんなに繊細だったこのひとも、そのうち富貴子に出会って、盛り上がってしまうのでしょうか。
平野から富貴子の話を聞いた世奈子も、何か動き出すのでしょうか。自分の娘と顔が似ているんですから、複雑な心境になるでしょうねえ。
さて。
なんやねん!
美輪子(逢沢りな)が富貴子(黛英里佳)にそばにいてほしかったのは、女中が欲しかったの!?
富貴子といい、多摩留といい、美輪子は、自分のために尽くしてくれる人を求めているようです。
甘えん坊さんなんでしょうけれど、朝起こせだの、朝食にハチミツ用意しろだの、服選べと言った挙げ句、「野暮ったい」「ドブネズミみたい」「クラブのホステスみたい」「ロリータファッション」とさんざん。でも、それ、あんたのクローゼットにある服ですから!(こんなふうには言ってません)と富貴子も反論しますがどこ吹く風。ついには「役立たずのメス豚」呼ばわり。
でもすぐに、にっこり。やっぱり精神の病が完治してないんでしょうか。

うんざり気味の富貴子でしたが、それでもしぶしぶながらローズガーデンの盛り上げにひと役買っていこうとするお人好しっぷり。

そんなんだから、まだまだ富貴子の受難は続き、眞澄(伊藤かずえ)から「華麗でエレガントな」ネックレスを盗んだ容疑をかけられたり、美輪子に外人としゃべっているのを嫉妬されたり。絵に描いたようないやな出来事の数々を被るのです。
一番辛いのは、やっぱり、実母に全然認めてもらえないことでしょう。このドラマのなかで、富貴子が一番可哀想。生まれたばかりで養子に出されてしまって、なんとか生きてきたら、急に義理の弟が殺した相手の家に生みの親がいたなんていう嘘のような出来事が起るのですから。富貴子こそ発狂して良さそうなものなのに、よく平静を保っています。
そのうちストレスが沸点に達して、美輪子と狂った怪獣対決みたいなことになったりしないかしらん。
(木俣冬)