南アフリカといえば、前回W杯で「スポーツ史上最大の番狂わせ」といわれる大金星を挙げた相手だ。
試合会場にちなみ「ブライトンの奇跡」として世界でも話題となり、『ハリー・ポッター』の作者J・K・ローリングに「こんな話は私には書けない」と言わしめたエピソードが懐かしい。今にして思えば、世界から見た日本ラグビーへの注目度はこの時から高まったともいえる。
あすの再戦を前に、今一度この大金星という結果を振り返るメディアは多い。が、権利関係の問題もあって試合映像は最後のトライシーンだけ、という場合がほとんど。あの試合に至るまでの日本の“弱小国”ぶりなど、当時の日本代表が置かれた境遇まではうかがい知れない。
そこで、復習教材として、さらには今大会をきっかけにラグビーを見るようになった人にオススメしたい映画がある。南アフリカ戦勝利までの軌跡を描いた『ブライトン ミラクル』(The Brighton Miracle)だ。今ならAmazonプライム、もしくはDAZNでいつでも視聴することができる。

エディ、リーチ、広瀬、五郎丸たちの「決断」の物語
物語は、2015年のラグビーW杯からさかのぼること1321日前。エディ・ジョーンズ(前)日本代表ヘッドコーチとの契約日から始まる。
2015年大会以前、日本代表のW杯戦績は7大会でわずか1勝のみ。95年の第3回大会では、オールブラックス相手に17対145という大会最多失点での大敗「ブルームフォンテーンの惨劇」も経験。そんな“ワールドカップ史上最低成績”を持つ日本が、過去2度の優勝を誇る最強軍団・南アフリカから、いかにして勝利を収めたのか?