カフを巻く必要も、ネット接続も、十数分待つ必要もなく、ロボットが「一目見る」だけで、約30秒で心拍数や血圧、体温など複数の指標を測定し、さらに感情状態まで識別できる。このほど、こうした機能を備えた電子科技大学の研究チームが開発した非接触型ヘルスケアロボット「康宝」が注目を集めている。

多くの人になじみのあるスマートウォッチやリストバンドといった従来のウェアラブル機器と比べ、「康宝」は「装着」というステップを必要としない。原理自体は光学検出に基づくが、これまで皮膚に密着させて行っていたセンシングを非接触型に転換した。電子科技大学コンピューター科学・工学院(サイバーセキュリティー学院)の田玲(ティエン・リン)教授は、「装置は顔の微小血管の変化を捉え、アルゴリズムと組み合わせて各種データを推定するため、高齢者ケア、病院でのトリアージ、キャンパスでの健康モニタリングなどのシーンで利用ハードルを下げることができる」としている。

田教授は、「研究の最終的な価値は、技術を研究室から社会へ、人々の生活に役立つ形で応用することにある。チームは長年、AIの推論・意思決定分野に取り組み、高信頼性・高リアルタイム性が求められる複雑な応用シナリオを中心に研究してきた。現在はそれらの技術を民生分野へと移行し、一般の人々が実際に目にし、利用できる形で実用化することを目指している」と語る。

田教授はまた、「『康宝』の応用は実際の生活におけるちょっとした煩わしさの解決にも焦点を当てている。例えば病院の救急外来におけるトリアージでは、深刻な衰弱や重篤な状態の患者に対し、従来のカフ式血圧測定は繰り返し操作が必要で時間がかかり、不快感をさらに増すことになる。一方で、非接触で迅速にスクリーニングを行えれば、医師はより早く状況を把握できる」とする。

「康宝」はすでに同省成都市のある高齢者ケア施設で試験運用が進められている。将来的には、単なる「測定」にとどまらず、「付き添う」存在としての機能も追加される予定だ。例えば、高齢者ケアの現場では、基礎健康データの記録や日常的な巡回チェック、夜間の睡眠モニタリング、さらには音声対話を通じて高齢者により自然な付き添い体験を提供することを目指している。

(提供/人民網日本語版・編集/KN)

編集部おすすめ