2025年、中国のインバウンド観光は全面的な回復と成長を遂げた。国家移民管理局のデータによると、同年の外国人入国者数は延べ8203万5000人に達し、前年比26.4%増加。

そのうち、ビザ免除で入国した人は同3008万人に上った。主要都市から国境地域の新興都市に至るまで、また観光からディープな体験に至るまで、中国は開放的な姿勢と質の高い観光供給により、世界の旅行者にとって魅力的な目的地となっている。ビザ免除政策の後押しを受け、ドイツを含む欧州市場からの訪問者も着実に回復している。

こうした中、注目すべき声がある。中国人とドイツ人を両親に持つドイツ在住の女性ブロガーが動画で発信した観察によると、中国を訪れるドイツ人は増えているものの、周囲のドイツ人に「最も行きたいアジアの国はどこか」と尋ねると、その多くが依然として日本と答えるという。この発言はSNS上で議論を呼んだ。

女性はまず、日本の文化発信力の強さを指摘した。ドイツでは、アニメやすし、桜といった日本文化の要素がすでに日常生活に深く浸透している。若者は幼い頃から日本のアニメに親しみ、中年層は日本食レストランを利用し、多くの人が京都などの都市に憧れを抱いている。一方、中国のイメージは万里の長城やパンダといった伝統的な象徴にとどまりがちだ。女性の友人は「中国は本の中では神秘的だが、日本は実際に触れられる文化の世界だ」と語ったという。この“体感できるかどうか”の差が、旅行先の選択に影響している。

次に女性は、日本の観光体験における細やかなサービスに言及。交通機関の時間の正確さ、環境の清潔さ、接客の丁寧さなど、日本はサービスの標準化において非常に高い水準を保っている。一方、中国では人気観光地において混雑や予約の取りにくさといった課題も見られる。女性自身、「中国旅行は事前にしっかり計画する必要があるが、日本なら思い立ってすぐ出発できる」と感じているという。

さらに、政策や交通の利便性も重要な要因だ。中国は23年12月からドイツに対して一方的なビザ免除政策を実施しており、ドイツ国民は最長30日間、ビザなしで中国に滞在できる。一方、日本はドイツのパスポート所持者に対し90日間のビザ免除を認めており、滞在期間の面でより余裕がある。また、ドイツから日本への直行便は多く、所要時間や費用面でも比較的有利とされている。

最後に、長年にわたる国家イメージの形成も見逃せない。多くのドイツ人の間で、日本は「清潔・安全・ハイテク」というイメージを確立しており、安心して旅行できる国として認識されている。一方、中国に対しては「人が多い」「複雑」といった固定観念が一部に残っている。高速鉄道やモバイル決済、先端技術などの分野で中国が大きく進歩しているにもかかわらず、その魅力は十分に伝わっていないのが現状だ。

この女性ブロガーは、中国を「分厚い1冊の本」に例え、「多くの人はその表紙すら開かずに置いてしまう」と語る。中国は決して魅力に欠けているわけではなく、豊かな自然、長い歴史、そして現代都市の活力など、競争力は十分にある。課題は、それらを世界に分かりやすく伝えることにあるという。

女性は、中国はすでに多くの努力を重ねてきたとした上で、今後は「物語の伝え方」を磨く必要があると指摘する。故宮の雪、重慶の火鍋、深センのテクノロジーといった魅力を、より生き生きと現代的に発信できれば、より多くの外国人旅行者が自らその“分厚い本”を手に取るようになるだろう。(RR)

編集部おすすめ