2026年4月26日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、スリランカ政府が中国の融資で建設した赤字続きの空港について、民間投資家の募集を開始したと報じた。

記事は、対象のマッタラ・ラジャパクサ国際空港が13年の開港以来、収益が電気代すら賄えないほどの不振にあえぎ、政府にとって重い財政負担となっていることを紹介。スリランカ政府が募集の呼びかけの中で「観光業などの戦略的投資先として大きな成長の可能性を秘めている」とアピールしているものの、定期便は1便も就航していないと指摘した。

そして、空港が野生動物の保護区に隣接し、同空港が渡り鳥の飛行ルート上に位置するため、鳥との衝突によって着陸を余儀なくされるケースが相次いでいるほか、滑走路に迷い込むシカや水牛、ゾウを追い払うため、軍が数百人規模の兵士を派遣したこともあったと伝えている。

また、同空港が悪天候時における首都コロンボの代替空港と位置付けられ、貨物便や一部のチャーター便が利用しているものの、得られる収益は限られていると説明した。

記事はその上で、同空港が在任中に中国から多額の借り入れでインフラ事業を進めたマヒンダ・ラジャパクサ前大統領の名を冠しているものの、中国の融資を受けた事業の多くは商業的に失敗していると指摘した。

さらに、22年にスリランカが前例のない金融危機に見舞われた際には、対中債務がその要因の一つとみなされたことにも言及。翌年に同国が国際通貨基金(IMF)の支援を取り付け、赤字の国営企業の民営化を模索したものの、これまでのところ成功には至っていないとした。

記事はこのほか、マッタラ・ラジャパクサ国際空港の現状に関する「既視感のある前例」として、17年にスリランカが多額の中国融資の返済に行き詰まった末、近隣のハンバントタ港の運営権を中国の港湾運営大手・招商局港口控股(HD)に99年間のリース契約で譲渡し、中国による「債務の罠」を利用した影響力獲得との批判を招いた事例を紹介している。(編集・翻訳/川尻)

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