2026年5月18日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、オーストラリア政府が国家安全保障上の観点から中国系投資家に対し、レアアース企業の保有株式売却を命じたと報じた。

記事は、オーストラリアのジム・チャマーズ財務相が、中国、香港、英国領バージン諸島に住所を置く株主計6人に対し、レアアース生産のノーザン・ミネラルズ社の保有株式を60日以内に売却し撤退するよう命じたと紹介。

対象には6%以上の株式を保有する筆頭株主の投資会社バストネス・インベストメント・グループも含まれると伝えた。

そして、ノーザン・ミネラルズ社について、西オーストラリア州ブラウンズ・レンジ地区に、電気自動車(EV)に必要な高性能磁石の製造に使用される大型のジスプロシウム鉱床を所有していると説明。世界のジスプロシウム生産量の約99%を中国が占める中、米国とオーストラリアが23年10月にレアアースおよび重要鉱物資源へのアクセス拡大を目的とした協定に署名し、同社が中国依存脱却の要と位置づけられた経緯を紹介した。

記事はまた、AFP通信の報道を引用し、中国系投資家が同社の株式買い増しを続け、一時期は会長解任の動議を提出するなど影響力を強めようとしていたと指摘。同社が「隠れた買収」を警戒し、25年11月に自らオーストラリア外国投資審査委員会(FIRB)へ審査を申請したと伝えた。

さらに、オーストラリア政府が24年に、今回同様の外国買収法を引き合いに出して、別の中国系投資家グループに対して同社株の売却を強制したことに触れ、今月18日午前にはオーストラリア証券取引所がノーザン・ミネラルズ社の株式売買を停止したと紹介。同社が政府による新たな処分命令を精査した後、さらに発表を行う予定だとした。

記事は、チャマーズ財務相が声明の中で、「われわれは堅牢かつ非差別的な外国投資の枠組みを運用している。必要であれば、国家利益を維持するために、この件に関してさらに行動を取る」と述べたことを紹介した。(編集・翻訳/川尻)

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