2026年5月19日、中国メディア・ウォール街見聞によると、韓国サムスン電子の半導体部門の元CEO、キョン・ゲヒョン(慶桂顕)氏は18日にソウル市で開催された韓国工学アカデミー(NAEK)の第285回フォーラムでの講演で、世界のメモリチップ価格が来年下半期に下落を始めるとの予測を明らかにした。

24年5月までサムスン電子の半導体部門CEOを務めたキョン氏は、世界市場を調査した研究機関のデータを引用し、世界的にメモリの生産能力が急速に増大しており、価格に直接影響する可能性があることに言及し、「中国企業が生産能力の拡張を急速に進めており、来年下半期頃にメモリ供給が急増するのに比例して、どんなに遅くとも28年上半期までには市場に何らかの変化が起こる可能性がある」と論じた。

その上で、「大手企業の投資に対する収益率が低下すれば、投資額を削減する方向へ動くだろう。そうなれば、28年以降は価格の下落だけでなく、メモリチップの需要も萎縮する可能性がある」と述べたほか、韓国のメモリ産業の構造的欠陥として、ファブレス(システム半導体設計)領域の世界シェアが1.5%しかなく、「フルスタック」の製造システム面が不足しているとも指摘した。

記事は、「このロジックは理解できなくもない。現在のメモリ需要の原動力はAIデータセンターの建設にある。大手企業はサーバー購入による演算能力の構築を継続しているが、人工知能(AI)への投資で得られる収益が予想ほどではなければ、投資にブレーキがかかり、メモリ需要の過熱も落ち着くはずだ」と述べた上で、キョン氏が「韓国はメモリ市場(DRAM)の優勢を維持しつつ、半導体やソブリンAI(主権AI)などの領域で、自国で開発と管理が完結できる独立性を備え、それらの技術を製造業にも応用できるよう、ディープテック製造国家へモデルチェンジしなければならないと提案している。さらに、ソフトウェアとハードウェアの両面で米中両国と競争するよりも、韓国の得意分野に専念し、そこへいかにAIを組み込むかを真剣に考える方が重要だ」との考えを示したことを伝えた。(翻訳・編集/原邦之)

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