2026年5月24日、中国メディアの観察者網は、中国がアフリカ53カ国への関税を撤廃し、保護主義的なドナルド・トランプ大統領との対比で信頼を固め、影響力の拡大を図っていると報じた。

記事は、中国が5月1日から国交のあるアフリカ53カ国を対象に、全面的にゼロ関税措置を実施したと紹介。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルがこの措置を「政治的に巧妙な一手」と呼び、アフリカに高い関税を課すトランプ大統領と鮮明な対照をなしていると評したことを伝えた。

そして、「トランプ大統領がアフリカ諸国を『不潔な国々』と呼び、南アフリカに30%、コンゴ民主共和国に15%の関税を、レソトに対しても50%の高関税を課すと脅した」としたほか、米国が国際開発庁を閉鎖し、アフリカ数十カ国の大使ポストを空席のままにしていることに言及した。

その上で、中国による今回の措置についてアナリストが、中国の「発展途上国の守護者」というイメージが強化されると指摘していると伝え、アフリカ専門のリスク管理コンサルタント会社であるシグナル・リスクのロナック・ゴパルダス理事が、「米国の気まぐれな姿勢に対し、中国が安定的で信頼できるパートナーであるというイメージを強化する賢明な決定だ」と評したことを紹介している。

記事は、今回の措置がコバルトや銅、タンタルなどの重要鉱物資源における中国の供給網確保を助け、インフラや製造プロジェクトの機会を増やすと解説。ケニアのアブラハム・キツレ・キンディキ副大統領が、ゼロ関税協定によりコーヒーやアボカドなどの輸出が恩恵を受け、対中貿易赤字を削減する機会になると述べたことに触れた。

一方で、ゴパルダス理事が「短期的にはアフリカが原材料を輸出し中国が工業製品を輸出する」という基本構造が変わる可能性は低いとの見解を示したことを紹介し、アフリカ各国が十分な恩恵を受けるには生産コストの低減やインフラの改善が課題になっていることを伝えた。(編集・翻訳/川尻)

編集部おすすめ