中国映画「給阿嬷的情書」(おばあちゃんへのラブレター、Dear You)は、中国本土での公開から1カ月足らずで興行収入が10億元(約235億1240万円)を突破しました。同作品の制作費はわずか1400万元(約3億3000万円)で、出演者は全員素人です。
広東省の東部沿岸に位置する潮汕地域は行政区画ではなく、共通の文化や言語に基づく歴史的な地域です。主に汕頭市、潮州市、掲陽市の3都市で構成され、同映画の主要なロケ地でもあります。同地域は有名な「華僑の故郷」でもあり、現在タイ、シンガポール、マレーシアなどに住む華人の多くがこの地域の出身です。
映画は、祖母が長年大切にしてきた手紙を持った孫が、親族を探すためタイへ向かう物語を描いています。汕頭小公園、竜湖古寨、潮州泰仏殿、掲陽綿湖解放路など複数のランドマークで撮影され、現地特有の風土や人情を表現しています。映画の世界観を味わい、同じ風景やグルメを楽しむため、多くの観客が現地を訪れています。
同作品は「僑批」という概念に観客の注目を集めました。「僑批」とは、海外の華僑が故郷の家族に送った手紙や送金のことです。汕頭市の僑批文物館には9万通以上の実物が収蔵され、華僑の経験と想いを伝えています。映画の公開に伴い、5月以降、僑批文物館の来館者数は前年同期比47.29%増、鄭正秋・蔡楚生映画博物館は同71%増となり、掲陽綿湖のロケ地には1日平均約3万5000人が訪れています。
中国の業界では、方言映画が地方の文化・観光をけん引している点にも注目しています。
研究者は、方言は生活に根ざしており、その独特の音声や語彙を通じて地域の特性、ライフスタイル、民俗的背景を直感的に表現できるため、地域の認知度向上に役立つと指摘しています。今後、地方映画や方言映画は映画表現の新たな方向性の一つとなり、中国文化の多様性と包容力を示し続けると見られています。(提供/CGTN Japanese)











