第18回 

(3)日本人のマナー、精神生活

●日本人のマナーのすばらしさ、清潔さに感心した。きれいな青空にびっくりし、ごみがひとつも落ちていないことに気づいた。
日本人は、朝夕の犬の散歩で必ず犬の糞を持ち帰るが、中国ではこうした習慣はない。

●町の人は環境を守り、お祭りを皆で楽しみ、文化遺産を受け継ぎ、人との関係も益々親しくしている。こうした意識はとても貴重だ。

●日本に着いて一番はじめに習ったことが、「自分のことで他人に迷惑をかけない」ということだった。それから私は性格を変え始めていった。

●日本人が付き合うルールの中で一番大事なのは、周りの人に迷惑をかけないこと、そして、相手の立場で考えることだと分かった。


●日本人の精神生活、日常生活はとても多彩である。

●正しい立ち振る舞いをし、誰に対しても誠実に接することで、発展し、大国になれるのだろう。

●日本語がうまくなったということも重要だが、価値観、精神面にもたらした影響のほうがはるかに大きい。

●日本がアジアで唯一先進国として繁栄していることを認識できた。日本の繁栄、日本人の勤勉さ、親切さが印象に残った。

(4)日本文化、習慣

●放課後、学校の図書館で読書をした。
「枕草子」の言葉の美しさや、「平家物語」の悲壮さに心を奪われた。日本語がこんなにきれいな言葉だったのかと気づかされた。

●日本の料理はショックを受けるほどおいしかった。(たこ焼き、和風ハンバーグ、オムレツ、ピザトースト、カレーライスなど)

●中国ではプリクラにあまり興味がなかったが、日本に来てプリクラにあっという間にはまった。大笑いしながら友達と沢山プリクラを撮った。

●日本でとても驚いたことは、小学生の集団登校だ。
上級生が先頭に立ち、下級生の面倒を見ながら、道端を入り列になって進んでいく様子は、とてもほのぼのとしている。

●ホームステイして、家事を分担する意識が養われた。

●日本の「田舎」は全然「田舎」らしくない。きれいな町並みで、デパート、スーパー、レンタルショップ、図書館など、思いつくものはすべて揃っている。

(5)祖国、中国について

●日本人のほとんどは、外国のことにすごく興味を持っている。中国のことを聞かれて、自分が自分の国(中国)のことをよく知らないと感じた。


●交流をするためには、知識が必要。新聞、ニュース番組を見る時、なるべく知識を蓄えようとすべき。

●いままでは中国で流れている情報をもらいながら生活をしてきた。いいことばかりだった。今回、ほかの国から中国を見ることができて、本当によかった。

●日本に来て、違う角度から中国を見ることができ、日本人の中国に対する見方も知った。
外国にいるからこそ、自国の優れているところと問題なところがはっきり見えた。

●2008年は(中国で四川大地震など)悲劇の連続だった。自分の無力を感じた。しかし、中国の物足りない点を知り、私の愛国心が更に強烈になり、自分の使命を確認できた。

●不思議なことに、日本という外国に来て、ますます中国を愛する心、祖国愛が強くなった。母国中国を冷静に客観的に見る事もできるようになった。
四川大地震では、学校の生徒総会で900人を前にみんなの協力を求めた。(学校で募金が集まり)その募金は赤十字を通じて中国へ送られた。とてもうれしかった。

(6)中国への帰国後、周りの中国人との会話

●(中国の両親、先生たちから言われたこととして、)わがままな性格が直り、楽観的な性格になり、礼儀正しくなった。

●私はいつも(中国人の)友達に、「日本は最高だよ」と教えている。私が、周りの中国人に日本について説明したことで、日本に対する考え方を変えた。

●「1年間、日本で何を勉強したの?」と聞かれた。(周りの人は、)行くに値しない留学だったのだろうと思い込んでいた。私が習ったことは、学校の授業ではどうしても教えてもらえないことだ。純粋な友情を感じた喜びとありがたさ……。

(7)文化、価値観の違い

●中日両国の文化、生活習慣の違いを体験した。この世界はボーダーフリーになっていき、他国との接触がだんだん盛んになっていくともに、異文化の影響も受けている。私たちは自分の国の文化に基づいて、その良い部分を吸収すべきと思う。

●日本に来て気づいたことは、文化の違いを認めること。自分の国の文化を紹介する時は、他の人に無理に受け入れさせるのではなく、尊重を求めることだ。他の文化に対しても、完全に受け入れる必要はないが、客観的に理解し、尊重することは交流の前提条件だ。

●中国人とは違う日本人の世界観についてよく考える必要があると思った。この世界で、ただ一つの絶対正しい考え方があるわけではなく、さまざまな人のそれぞれの考え方が共存していることがわかってきた。自分の意見とは違う意見を尊重すべきだ。社会は人々の違う考え方のいいところを結合して進歩していく。

2.日本の学校側、日本人教師の感想:中国の高校生が日本の高校で日本人高校生たちと一緒に学んだことにより、日本の高校生たちに対して非常に良い影響があったと高く評価している。

○(多くの教師たちの感想:)中国の高校生は、人に接する態度が誠実で、勉強にも熱心、非常に優秀である。そのため教師、学生たちなど、日本側の人たちが、中国に対するイメージを変えた。

○日本の高校生で、中国に興味を持ち、中国語や中国文化を大学で勉強しようとする高校生も出てきた。

○数学では、中国の高校の方が日本より進んでいることがわかった。

○日本の高校では、体育、家庭科の授業、クラブ活動、学園祭などがあるが、中国の高校ではない。その違いに慣れることが大変だが大切。

○中国人高校生は、日本人高校生に比べて、物の言い方がストレートである。国際社会の中ではっきり意見を言うことの必要性を、日本の高校生も実感した。

 写真は日本訪問に期待をふくらます中国の高校生。(2008年11月9日撮影)

(執筆者:井出敬二・前在中国日本大使館広報文化センター所長 注:本稿の中で、意見にわたる部分は、筆者の個人的意見であり、筆者の所属する組織の見解を代表するものではありません)

※本稿は中国網(チャイナネット)に掲載されたもので、チャイナネットの了承を得て転載しています。

【関連記事・情報】
<日本人と中国人との習慣のちがい>について語ろう! - サーチナ掲示板
日本人と中国人との習慣のちがい-日本留学した高校生の感想(上)(2009/02/24)
日本人と中国人との習慣のちがい-日米「勤労感謝の日」「感謝祭」(2009/02/17)
日本人と中国人との習慣のちがい-「七五三」は世界の願い(2009/02/10)
政治>コラム>井出敬二 - サーチナトピックス