東日本大震災で中国人研修生を津波から救った宮城県女川町の水産加工会社の専務らに感謝して、研修生の派遣元の中国・大連市の会社の社員らが26日、同町に慰問に訪れ、義援金を手渡した。中国各メディアが日本の華字紙・日本華僑報を転載して26日報じた。


 宮城県女川町の水産加工会社、佐藤水産の佐藤充専務は震災当日、自分の家族の安否確認より先に中国人研修生20人を高台に避難させ、自らは津波の犠牲となった。この件を同町の避難所で研修生に取材した中国国営新華社通信が3月16日に報じ、中国各メディアが取り上げ、佐藤さんは英雄としてたたえられた。その後研修生は無事に帰国し、佐藤さんの家族も無事だった。

 佐藤さんに感謝の気持ちを伝えようと、大連の研修生派遣会社から社員ら5人が4月26日に女川町を訪れ、佐藤さんの兄の仁さんらと面会した。

 大連の派遣会社幹部の王軍さんは、「女川町にいた中国人54人は全員助かった。佐藤充さんをはじめ女川町のみなさんに心から感謝しています」と述べた。
王さんらは来日前に大連で募った義援金を、女川町の震災復興に役立ててほしいと、仁さんら中国人研修生を受け入れていた水産加工会社9社に手渡した。

 仁さんは、「弟は日本人として当たり前のことをしただけです」と話している。(編集担当:阪本佳代)

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