18日から断続的に豪雨が続いた影響によって死者や行方不明者が多数出た中国では、北京市などの都市部でも一部地域が冠水した。中国では大雨のたびに洪水や冠水が発生している。


 中国メディアの和訊網はこのほど、「中国の各都市が地下鉄の整備は行う一方で、なぜ洪水や冠水を防ぐためのインフラ整備を行わないのか」と疑問を投げかける記事を掲載した。

 記事は、洪水がたびたび発生する中国で暮らすことの心理状態について、「大雨が降り続くだけで不安を覚える」と伝え、今回の大雨によって直接的な経済損失は1470億元(約2兆3370億円)に達した見込みだと紹介。中国では大雨による洪水が発生するたびに「中国政府は日本やドイツに学ぶべき」との声がネット上で高まると伝えた。

 続けて、中国にも洪水などの水害に強い都市があることを紹介し、それはかつてドイツによって租借された青島市であると紹介。中国で洪水が発生するたび、中国人たちはドイツが青島市に作った排水系統の優秀さを思い知ると指摘する一方、「近年、中国の各都市は地下鉄の整備に熱心だが、なぜ排水系統を整備しないのか」と疑問を投げかけた。

 地下鉄という交通インフラの整備ももちろん重要だが、大雨のたびに人命が失われ、巨額の経済損失も生じる洪水を防ぐ取り組みも重要なはずだ。


 それでも中国で排水系統の整備が進まない背景には理由があるのだという。それは「排水系統は一般市民たちにとって直接的な恩恵を感じにくい存在」であるため、記事は「その都市の共産党員たちにとっては政治的な成績につながりにくく、優先順位が低いため」と論じている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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