日中間に存在する歴史問題ゆえに日本に対して否定的な感情を抱く中国人は少なくなかったが、新型コロナウイルスに苦しむ中国に日本が積極的な支援を提供したことが、多くの中国人が抱いていた日本に対する見方を変化させているようだ。

 中国メディアの今日頭条は1日、日本は中国人にとって「愛憎相半ばする国である」と題する記事を掲載し、歴史問題という憎しみの理由が存在していても、中国人は日本を愛することができると論じた。


 記事はまず、中国で新型コロナウイルスによる被害が発生して以来、日本の政府や社会各界は「次々と支援の手を差し伸べてくれた」と伝えつつ、同時に中国政府も日本に防護服やマスクを寄贈したと紹介。歴史問題があっても日中それぞれが互いに助け合い、苦難を乗り切ろうとしているのが今の状況だと説明した。

 また、日本と中国の関係が悪化したのは1894年の日清戦争から1945年に終結した第2次世界大戦までの期間だったが、日本と中国が交流を始めた西暦前3世紀の始皇帝の時代から1894年まで日本と中国の関係は「非常に良く」、安定していたと指摘。つまり、日本と中国の関係に問題が生じた期間は、日中間の歴史に友好関係が存在していた期間全体から見れば非常に短いと指摘し、歴史をこのように「客観的に見る」ことは非常に大切であると主張、日中が協力して新型コロナウイルスに立ち向かう今の状況は今後の日中関係に必ずプラスの影響を及ぼすと論じた。

 この記事に対してある中国ネットユーザーは、「我々は日本を憎んでいるのではない」、「我々を傷つけた当時の軍国主義や侵略者を忘れてはいけない」というコメントを投稿したが、このコメントが最も多くの支持を集めていた。日本と中国の関係が悪化したごく短い期間のみで日本を評価するのではなく、西暦前3世紀から2020年現在に至るまでの日本と中国の歴史全体をもって評価すべきという記事の見方に多くの中国ネットユーザーが賛同していた。
(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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