◆春季高校野球奈良県大会▽3回戦 天理1―0高田(26日・さとやくスタジアム)

 進学校のエースが、名門校と堂々とわたり合った。奈良・高田が3回戦で昨秋県準優勝の天理に0―1で惜敗した。

 先発した入矢優大(3年)は181センチ、60キロの細身のサイド右腕。初回に2死一、三塁のピンチをしのぐと、低めへの抜群の制球力で凡打の山を築く。4回1死一塁から3連打で1点を失ったが、その後は立ち直り、8回まで許した安打は単打7本、1失点で完投した。

 母校を指導して19年の田渕太監督は「(入矢は)メンタルが強いので(天理が相手でも)いつも通りやってくれると思った」と送り出し、期待を超えた。試合前に指揮官はナインに天理対策として「右打者は左で、左打者は右で打とうか?」と珍提案。エースには「頭を使って抑えなさい」と、進学校らしくマウンドに送った。

 スタメンに左打者が6人並ぶ天理打線。サイドの右投げにとっては不利となる状況だが、入矢はシンプルに考えた。「右左は関係なく、自分のピッチングをするだけ」と、サイドからチェンジアップ、スライダーを低めに集めた。敵将の天理・藤原忠理監督も「低めに沈むボールを使って抑え込まれた」と、脱帽するピッチングだった。

 香芝ヤングでプレーした中学では2年から投手に転向。高身長を生かすためだったが、コーチの指導でサイドから投げた。

その後は、独学で球種を増やした。チェンジアップやスライダーは「自分で投げてみて試した」と指導を受けず、映像なども参考にせず自己流で習得したという。

 「テンポ良く低めに集めることがしっかりできた。(4回は)四球から失点してしまったのが反省です」と、入矢はしっかり自己分析。成績はクラスでトップ。昨年7月の模試では学年1位にもなった秀才エース。進学は「国公立の理系に進みたい」と目標を掲げる。「学年トップになった時よりも、いいピッチングができた時の方がうれしいです」。惜敗でつかんだ手応えを自信に、夏に大勝負に挑む。

編集部おすすめ