この記事をまとめると
■全国各地でワンメイクレースが開催されるなど多くのドライバーから親しまれている「VITA-01」■VITA-01には1.5リッターNAエンジンなどトヨタ・ヴィッツRSのコンポーネントを搭載
■レーシングカーとしてはランニングコストが安いのもVITA-01の魅力のひとつだ
いまやワンメイクレースのメインストリームとなったVITA-01
ワンメイクレースといえば何を思い出すだろうか? ヤリスカップ? N-ONEオーナーズカップ? ナンバー付きの車両によるレースを思い出す人が多いだろう。しかし、全国各地でワンメイクレースが開催されていて、しかもリーズナブルに楽しめるレース専用車両がある。それがVITAだ。
女性だけのレースカテゴリーKYOJO CUPやレジェンドカップで使われているこのVITAとはどんなクルマなのだろうか?
VITA-01ってどんな仕様になっているの?
VITA(ヴィータ)の名称で親しまれているこのクルマだが、正式名称は「VITA-01」(ヴィータ・ゼロワン)となっている。開発や製造、設計、販売などはエントリーフォーミュラを中心に数々のレースマシンを手がけた鈴鹿のレーシングコンストラクター「ウエストレーシングカーズ」が行っている。
VITA-01の特徴は、安全かつシンプルであることだ。エンジンとミッションはトヨタ・ヴィッツRSのコンポーネントを使用していて、1.5リッターの自然吸気エンジンが搭載されている(1NZ-FE型)。
トランスミッションは一般的なHパターンの5速だが、シフトレバーが右側に配置されているのがレーシングカーらしいポイントだ。
このエンジンとミッションが搭載されるのは、大径パイプで構成されるセミモノコックで、横転に備えてしっかりとしたロールバーが入っているのも特徴だ。また、安全面に関していえばバンパーを装着し、サイドにアルミモノコックストラクチャーが備わっているため、接触時のクラッシャブルゾーンも配慮された作りとなっている。車重はドライバー含め600kgちょっとというレギュレーションが多い。
おもしろいのが個性を演出できる部分として、Type A、Type B、Type Jと3種類のフェイスデザインが選べることだ。なんとなくの雰囲気としてAはアルファロメオ風、BはBMW風、Jはジャガー風となっている。
価格は2024年5月現在で395万円からとなっていて、本格的なシングルシーターのレーシングカーとしてはかなりリーズナブルな価格設定といえるだろう。
市販車よりもランニングコストを安く抑えることもできそう
ランニングコストの安さも魅力
VITA-01のうれしいポイントはランニングコストの安さだ。使用頻度やレース参戦の回数によるが、ブレーキやタイヤの減りが少ない。
また、タイヤは現在ダンロップのワンメイクとなっていて、溝があるためレインとスリックをわざわざ使いわける必要もない。エンジンとトランスミッションも市販車と同じであるため、メンテナンスするにしても運転するにしても扱いづらさや気を遣う部分が少ないのも、ランニングコストが安い理由だ。
レースに出場しなくても、サーキット走行の練習用のクルマとしてVITA-01を購入するというオーナーもいる。確かにナンバーが付いていないため、サーキットまで何らかの手段でもってこなければならないが、その問題さえクリアすれば、下手な市販車でサーキット走行するよりも安くランニングコストを抑えることができるだろう。
そして、もしVITA-01を購入して最終的に乗らなくなったとしても、全国各地でレースが開催されているため、買い手が付きやすいというのもうれしいポイントだ。レーシングカーとしてのリセールバリューの高さも魅力のひとつだ。
買ってヨシ、走ってヨシ、レースに出てヨシ、そして売ってもヨシなレーシングカーであるVITA-01。ショップによってはサーキットでの体験試乗会も開催されているので、気になった方は調べてみてはいかがだろうか。