中国メディアの参考消息は2日、「中国の自動車大手はZ世代にアピールするためEVを移動式映画館に変えている」とするロシアのニュースサイト、Svpressaの記事を紹介した。

記事によると、1997~2012年頃に生まれたZ世代はサスペンションの信頼性やトランクの広さといった父親のアドバイスなど気にしない。

マーケティング担当者が語る「ダッシュボードの人間工学に基づいた設計」や控えめな北欧デザインにも興味を示さない。Z世代にとって、友人らとカラオケを歌ったり、夜間に駐車した状態でVR(仮想現実)ゴーグルを使って3D映画を観たりできない車は、完全に「ダサい車」とみなされる。

記事は「これらすべては、中国の自動車メーカーが自動車の概念そのものを刷新したことによるものだ」と指摘。BYD、XPENG、NIOなど中国の自動車メーカーは、Z世代の消費需要の冷え込みや国内販売の低迷、政府補助金の減少に直面し、自社の車を「ガジェット」として売り出していると伝えた。

記事によると、中国の自動車メーカーは自動車をデジタルエンターテインメントシステムへと変貌させた。販売台数の伸びを見ると、Z世代から歓迎されていることが分かる。BYDは、ワイヤレスマイクとスクロールスクリーンを備えた本格的なカラオケシステムを高級EVに搭載している。これにより、Z世代は好きな曲を歌うためにバーを探す必要はなくなった。道路で渋滞に巻き込まれたら「カラオケクラブ」モードをオンにすればいいのだ。

記事は「そしてこれは氷山の一角にすぎない。他の中国の自動車メーカーはさらに踏み込んだ取り組みを行っている」とし、車のヘッドライトで4Kの大作映画を隣家の壁やピクニックで広げたスクリーンに投影できる「ヘッドライトプロジェクター」を開発したり、運転手が車の充電中にVRゴーグルを使って車内でゲームを楽しめるようにしたりするメーカーもあり、今ではほぼ全ての車に人工知能(AI)搭載の音声アシスタントが標準装備されていて、車の操作にタッチパッドはもはや必要なくなっていると伝えた。

記事によると、上海に拠点を置く自動車販売店の販売部長、ジャオ・ジェン氏は「これらのAI機能とエンターテインメント機能は販売促進につながっている。

なぜなら中国の若い世代のドライバーは新しいテクノロジーを好むからだ。中国の自動車メーカーとIT大手は、Z世代のニーズに即座に対応しており、車載エンターテインメントシステムはますます身近なものになっている」と語る。
中国の自動車大手はZ世代にアピールするためEVを移動式映画館に変えている―ロシアメディア

記事は「当然ながら、こうした車には強力なコンピューティングリソースが必要となる」と指摘。中国の自動車メーカーは、この「デジタルディスコ」をスムーズに稼働させつつ、高速道路での自動運転を可能にするため、独自のスーパーチップの開発に本格的に着手したと紹介。今年の北京モーターショーで、XPENG、NIO、LiDAR大手の禾賽科技(Hesai Technology)がチップ開発競争を繰り広げ、香港メディアのサウスチャイナ・モーニング・ポストが「中国勢が世界的な半導体大手NVIDIAに挑んだ」と報じたと伝えた。

記事によると、XPENGの創業者兼最高経営責任者(CEO)の何小鵬(ホー・シャオポン)氏は自動運転専用に設計された同社のチューリングプロセッサを誇らしげに発表し、「当社独自のチューリングチップは、以前当社が自動車に搭載していたNVIDIAのフラッグシッププロセッサであるDrive Orin Xよりも3倍も高性能だ」と語った。

記事は「今や、中国のEVは真のスーパーコンピューターとなり、その計算能力はマイニングファームにも匹敵するほどになった。さらに中国の生産は、西側諸国やその制裁措置から完全に独立している」と伝えた。(翻訳・編集/柳川)

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