中国では、電気自動車(EV)の導入などの「道路交通の非エンジン車化」が進められている。大きな目的は二酸化炭素排出の削減だ。

車両に重量があるために単位距離当たりの二酸化炭素排出量が多く、しかも長距離走行を行う物流用のトラックもEVなどへの転換が求められているが、エンジン車への給油に比べて充電に時間がかかることが大きな障害だ。この問題に取り組む華為技術(ファーウェイ)はこのほど、高速道路での「超急速充電」についての成果を「充電の現場」を披露することで示した。

超高速充電が披露されたのは広東省韶関市内で、湖北省武漢市と広東省深セン市を結ぶ武深高速道路に設けられた「充電場所」だった。EVトラックは大手物流会社の順豊速運が設けている広東省恵州市から武漢区間までの実際のルートを走行した。全行程は1046キロだ。使用したEVトラックは徐工汽車が製造した3.5Cの充電能力を備える車両だった。

超高速充電を行うには、車両が搭載している電池が高性能であることも必要だ。この場合の「C」とは電池の充放電の速度を示す数値だ。「1C」の電池の場合には理論上、1時間で電池の全容量を充電することができる。「3.5C」ならば、その3.5倍の速さ、つまり約17分でフル充電できることになる。あくまでも理論値であり、実際の充電速度は例えばフル充電に近づけば安全確保のためにあえて落とすが、それでもEVトラックとして「非常に高性能な電池」を搭載していることになる。実際の充電では、2400アンペアの定常電流による1.44メガワット充電を行うことが示された。

トラックの電池の充電量を10%から90%まで引き上げるのに要した時間は18分だ。
ファーウェイのMW超急速充電、1000キロ行程のEV長距離物流に威力
ファーウェイ

この18分という時間は、別の意味でも重要だ。中国には「長距離運転をするトラック運転手は4時間に1回、20分間の休憩を取らねばならない」という規則がある。この充電時間ならば「人は休んでも自動車は充電という仕事を続ける」ことで時間のロスを解消することが可能だからだ。

韶関市での超高速充電の現場に足を運んだ中国各地の交通投資グループ、物流関連企業、自動車メーカー、電池メーカー、業界の専門家は、物流効率の大幅な向上、EV大型トラックによる「1000キロの道のりにおいて途切れない」高効率の長距離輸送を「自らの目」で改めて確認することになった。

ファーウェイのメガワット超急速充電は発表されて以来、全国各地での応用実践が業界の認識を刷新しつつある。今回のイベントでは幹線高速道路に設置されたメガワット超急速充電ステーションを利用して、EV大型トラックの長距離輸送効率を従来型のエンジン式の大型トラックに匹敵するものになり、輸送コストを大幅に削減すると同時にグリーンで低炭素なエコ効果を実現させることが示された。

ファーウェイの主導により、2024年4月には超急速充電のインフラ整備を目的とする「超充連盟 1.0」が設立された。対象は乗用車だった。さらに25年4月には、大型トラックなど商用車を対象とする「超充連盟 2.0」が設立された。この「連盟」には乗用車および商用車の主要メーカー、電池メーカー、充電事業者、充電インフラ整備会社、交通投資グループなどが加入している。

ファーウェイは「超充連盟」を通して、パートナーと共同で商用車の超急速充電基準を定義し、大電力超急速充電の普及の鍵となる「技術の壁」を突破するなど、この分野においても精力的な活動を続けている。

ファーウェイ・デジタルエネルギーは顧客や産業パートナーと連携して広東省の深セン-東莞-恵州間、山東省の臨沂-青島間、四川省の綿陽-成都間など20本余りの超急速充電物流ルートを構築中で、さらに広東、山西、山東、雲南の各地で全省超急速充電の一つのネットワークをつくり上げつつある。ファーウェイは終始一貫して質の高い発展を堅持し、パートナーと連携して共同で交通基礎輸送施設網とエネルギー網の融合発展を推進し、完全電動物流を後押しし、「道がある所には質の高い充電がある」状況の実現を目指している。(翻訳・編集/如月隼人)

編集部おすすめ