中国では広東省江門市のある配車サービス運転手が、車内で「挽(ひ)きたてのあの旨(うま)さ」のコーヒーを販売していることが注目されている。配車サービスの運営会社は、ぎりぎりのところで規則違反ではないと判断できるが、客から苦情があれば運転手に違約金を科すと説明した。中国メディアの光明日報が伝えた。

この車を利用したというネットユーザーの「小魚」さんによると、コーヒーを入れる器具が助手席に置かれており、席の背もたれの後ろには、整然とした価格表が貼られていた。「車内で挽きたての豆を使ったコーヒーを提供」は目新しい商売と思い写真を撮ったが、衛生面を考えたことと自分の好みとは違っていたので、注文はしなかった。運転手はとても話好きで、運転中はアメリカンコーヒーやカプチーノの違いなどを、「立て板に水」といった調子で説明しつづけた。ただし、コーヒーを売り込んでくることはなかった。

別の利用者は、運転手はきちんと運転しており、売り込むことはなかったと説明した。「乗客にとっては影響は大きくなく、乗車した雰囲気はよかった。車内にはコーヒーの香りが漂っていましたが、価格設定が高かったので私は買いませんでした」という。

運転手がつけたコーヒー販売の屋号は「紅灯咖啡(赤信号コーヒー)」だ。「小魚」さんは、赤信号を待つ合間にコーヒーを入れるので、「紅灯咖啡」と名付けたのだろうと推測した。

「挽きたてのあの旨さ」配車サービスで客にコーヒー販売、運営会社「苦情あれば罰金」―中国

販売価格は、アメリカンコーヒーとエスプレッソが1杯22元(約513円)で、最も高いカフェラテとカプチーノは29元(約680円)だ。他にもレモンコーラやかんきつミルクティーなどもある。

配車サービスを運営する滴滴の関係者は取材に対して、運転手が商品を売り込んだり割増料金でのサービスをすることについては、厳格な規則があると説明した。まず、運転手が商品販売など輸送以外のサービスを売り込むことは禁止だ。ただ運転手がみずから商品を売り込んだのでない場合は、規則違反にならない。また、渋滞などの客観的な状況がないのに低速走行をして料金を引き上げる行為があった場合には、運転手の責任を問う。

車内でコーヒーを購入できるようにしているこの件について、客からの苦情は今のところ寄せられていない。ただし、客から、料金を上乗せされたなどの苦情があり、その料金が輸送業務と関係ないと確認されれば、運転手には50元(約1200円)から200元(約4700円)の違約金が科され、さらに悪質と判断された場合には、最大で30日間にわたり業務を停止させるという。

運営会社の関係者は、「いったん乗客から苦情があれば、運転手に責任ありと判断する可能性が非常に高く、(そうなれば)報酬が差し引かれることになります。このように計算すると、稼いだお金よりも差し引かれる額の方が多くなります」として、車内で「挽きたてのあの旨さ」のコーヒーを提供することは「決して推奨しません」と説明した。(翻訳・編集/如月隼人)

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