2026年4月17日、中国メディア・極目新聞は、浙江省杭州市の診療所が無料健診で1本の注射針を15人に使い回して採血していたことが発覚し、住民の間で感染症への不安が広がっていると報じた。

記事によると、14日に同市浜江区の診療所が地元の集合住宅で無料健診を実施した際、住民が採血用の針を交換したか尋ねたところ、スタッフは「交換した」と回答した。

しかし現場のゴミ袋に廃棄された針が見当たらず、住民が問い詰めたもののスタッフは納得のいく説明をしなかったという。

疑惑の浮上後に地元メディアの記者による取材を受けた診療所の責任者は、約15人に同一の針で採血した事実を認めた。対象者にはすでに健康診断やHIV曝露後予防(PEP)の投与、B型肝炎ワクチンの接種を実施したこと、担当スタッフを解雇したことを説明した。責任者は「無料のボランティア活動だった」「当時は多忙で注意を怠った」とも釈明したという。

記事は、感染の可能性があるウイルスの潜伏期間が半年に及ぶことから、採血を受けた住民の間では生活や仕事にも影響が出るほどの強い不安が広がっていると紹介。地元の衛生当局がすでに本件について調査を進めていると伝えた。

この件について中国のネットユーザーからは「採血ができる技術があるのに針の交換を知らないはずがない。明らかにコスト削減だ」「臨時スタッフのせいにしているが、そもそも無資格の者に採血をさせた責任者こそ処分されるべきだ」「事後の検査やワクチン接種は最低限の対応にすぎず、少なくとも2~3年にわたる長期的な健康追跡と費用負担を約束すべきだ」など、診療所側に対する批判の声が聞かれた。

また、「こうした事件が起きると、本来まともに運営されている無料健診まで敬遠されるようになる」など、業界全体への影響を懸念する意見も見られた。(編集・翻訳/川尻)

編集部おすすめ